ES-335のピックアップを分析 - 1961年製ヴィンテージ

ギブソンのPatent Applied Forピックアップ、1961年製のES-335に搭載されていた個体をクローズアップです。エレベーションスクリュー、スプリング、ワイヤー、ピックアップリングまで、すべてフルオリジナルで良いコンディションを保っています。

近年はスクエアウインドウ付きのリプレイスメントボビンも、かなりヴィンテージに近いものが出ているので、ルックス的にもヴィンテージの詳細を見ておくのは大切だと思います。

特徴的なのは、内側の□と外側の○がきちんと中心で重なっていないため、画像で見ると○の内側の□は下側の辺が多く見えています。

Tトップでもわかるように、ボビンの金型は複数個どりなので、ボビンの形状もいくつかのパターンがあります。

足の部分はLマークがはっきりと出ていますが、これはPAFだけでなく後年のTトップでも見られるマーキングです。

ワイヤーは、一列が2本のワイヤーからなっている2ブレイドです。近年ポピュラーなのは耐久性の高い3ブレイドです。

スクエアウインドウの無いサイドは、ボビンの隙間からマグネットが見えます。

あまり見る機会がないので、ボビンをベースプレートに止めているブラスのスクリューを外してみました。

1965年前後のTトップからはこのスクリューがマイナスねじになりますので、カバーを外さなくてもなんとなく「PAFかな…」という推察ができますが、この判別方法は絶対ではなく時々プラスねじなのにTトップというのも紛れています。

現在では市場に出ても3,000ドル以上するヴィンテージPAFピックアップ。そのサウンドの魅力を語れば尽きることはありませんが、クローズアップで見るだけでも、稲妻のような咆哮が聞こえてきそうな無粋な面構えですね。

文・写真：FUKAZAWA VINTAGE CLUB

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