フライングVが初登場 - 1958年のギブソンカタログ

今回は1958年のギブソンのカタログを見ていきます。表紙は当時ギブソンのギターのラインナップでトップ・オブ・ザ・ラインだったと思われるSuper 400です。裏表紙にはフライングVが初登場、堂々とハムバッカーを搭載しています。

Gibson Super 400

今回は1958年のギブソンのカタログを見ていきます。表紙は当時ギブソンのギターのラインナップでトップ・オブ・ザ・ラインだったと思われるSuper 400です。裏表紙にはフライングVが初登場、堂々とハムバッカーを搭載しています。

58年モデルのフライングV

フライングVの価格は247.5ドルで、当時のレスポール・スタンダードと同価格、それと並行してES-335が「革命的なダブルカッタウェイ・モデル」として紹介されており、価格は282.5ドルと、フライングVよりも高額になっています。

レスポール・カスタムは、ゴールドプレート・ハムバッカーを3基搭載し375ドル。Padded Leather Strapが付属すると書かれています。白黒写真で見るとブラックボディはいかにも豪華で、黒塗りのベントレーのようですね。

いかにも豪華なレスポール・カスタム

次のページでは、いよいよレスポール・スタンダードが登場です。しかし良く見ると56年仕様で、P90が2基搭載された写真です。しかもタイトルはThe Les Paul Guitarとだけ記されており、Standardの文字が見当たりません。説明文には、ハムバッキング・ピックアップを2基搭載と記されているので、ハムバッカー搭載のスタンダード・ゴールドトップが247.5ドルだったのは間違いなさそうです。このカタログの発行時期が1958年3月と記載されているので、Standardはハムバッカー搭載のはずですね。そして、その下にはP90 × 2のSpecialが179.5ドル。なるほど、スペシャルとスタンダードとカスタムは、約100ドルずつ高くなっていく訳ですね。

レスポール各モデルの価格の違い

次のページはレスポール・ジュニアです。レスポール・スタンダードが1/2ページで、しかも写真が違っているのにくらべ、ジュニアは1ページ全部というのも、バランスが悪いというか、当時の販売本数を意識しているということでしょうか。白黒テレビ映りを意識したTVモデルが132.5ドル、サンバーストが120ドル。サンバーストモデルには、ハードケースの記載はないので、みんなアリゲーターケースを買いなさいということなのでしょう。確かに、ジュニアとハードケースを一緒に買うと、スペシャル並みの価格ですから、販売店としては「ハードケース高すぎるんじゃないか?」となりますね。

1ページまるまるレスポール・ジュニア

なお歴史的な発明であるはずのレスポール・スタンダード1959年モデルがラインナップされているカタログについての資料が不足しているので、手元にある次のカタログは1960年までとんでしまう訳です。

さて、せっかくなので、この1958年のカタログに登場する他のモデルのギターと価格もチェックしておきましょう。ジュニアの3/4モデルが1/1モデルと同価格で出ていますね。今ではギブソンのラインナップから外れてしまって残念です。

レスポール・ジュニアの3/4モデル

一方エレクトリック・ベースは、フェンダー社対抗の意味でも、ギブソンにとって重要な位置づけだったと思われ、セミアコモデルとソリッドモデルのそれぞれがラインナップされています。なんとセミアコモデルのEB-2は、レスポール・スタンダードより高価だったのです。

レスポール・スタンダードよりも高価だったEB-2ベース

最後になりますが、圧倒的な存在感と豪華さを醸し出しているダブルネックをご覧いただきましょう。12/6と6/マンドリン。今となっては12/6の組み合わせはポピュラーですが、このカタログに登場している唯一の12弦ネックなのです。

豪華なダブルネック

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