ちょっとしたエンドピンの発見伝

今回はストラップピンの素材に注目。特徴的なメッキの剥がれ方をするアルミ製ストラップピンと、70年代中期から登場するブラス製のストラップピン。それぞれを詳細な写真で比較していきます。

ゴールド・ストラップピンの重要なポイント

VM (Vintage Maniacs)うわ、これって「なんかの卵」みたいですね。

FV (Fukazawa Vintage Club)すまん、すまん。脅かすつもりはなかったんだ。ストラップピンの集合写真なんて、なかなか見ないだろ?

VM新旧まざってますよ。手前の右、錆びてるのがヴィンテージでしょ?

FVヴィンテージと現行品のスペック違いは、以前に掲載したので覚えてくれている人も多いと思うけど、今回はゴールド・ストラップピンの「ほとんど誰も気にしてないけど重要なポイント」を報告しておこうと思って。

VMえっと、最初に70年代のゴールド・エンドピンを見てみますか。アルミですね。

FVアルミという金属は表面に厚い酸化皮膜があって、本来メッキがのりにくいらしい。でも、むやみに脱脂のエッチングを長時間かけると、ざらついたり、光沢感がなくなるそうだ。

VM普通に銀色に見えるストラップピンは、アルミ素材剥き出しのままですよね。ゴールドはちゃんとメッキしてあるんですが、「そんなこんなで、経年でパラパラと剥がれ落ちちゃうんだよ」ってことを言いたいんですか?

FVメッキに詳しいわけではないから聞きかじりだけど、とにかく70年代中期くらいまでのゴールドのストラップピンは、概ねこんな感じに剥がれている。

FVしかし、重要なのはメッキの剥がれ方ではなくて、「こういう剥がれ方をするアルミ製のゴールド・ストラップピンは、70年代途中まで」という、仕様変更のポイントだよ。

VMえー、そんなの誰も気にしてないですよ。

FVまあ、最後まで見ていこうよ。

ストラップピンの素材は アルミ? ブラス?

VMこれは、ボディに接していた底面だけ、かろうじてゴールドが残っていますね。

VMちょっと比べてみましょうか。左が現行のシルバーです。

FVお、よくひと目で「現行」って見分けたね。

VM穴の大きさも、エッジ処理の角度も違いますからね。FVさんのコレクションでも、よく見るとストラップピンが現行に交換されている個体がありますよね。

FV嫌なこと言うなよ(笑) デッドストックのストラップピンは沢山あるから、おいおい交換してオリジナルに直していく予定だ。

VM話を戻しましょうか。そもそも「アルミのストラップピン」って、どれぐらいの重量があるんですか?

FVホームクッキング用のちゃらい秤で、2個が約2gだね。

FVヴィンテージも現行も、ほぼ同じ重さだ。

VMこの「L-5S」のエンドピンも、アルミにゴールドメッキっぽい感じで剥がれていますね。

FVその通り。

FVちゃんと、ゴールドメッキが剥がれたところはシルバーのアルミ素材が見えているだろ?

VMこっちのES-347はいかがでしょう、1979年ですが。

FVその時代は、アルミじゃなくてブラス製だよ。

VMえっ????????????? ギブソンのストラップピンでブラス製があるんですか?

FV意外だろ?

FVそこでだな、これを見てくれよ。アレンビックのテールピースみたいな色に変色しているけど、絶対アルミの色じゃないだろ?

VMピンの内側はゴールドメッキが残ってますが、外側は黄土色です。

VMこれ、素材がブラスですか?

FV当たり! ほら、7gもあるだろ。

VMってことは、現行のGibson製ゴールド・ストラップピンは、重いブラス製なんですね?

FVそうさ。実は、ちゃんとパッケージにも書いてあるんだよ。

VMほんと、FVさんってチマチマ見てますよね。

FV違うよ、前から知ってるさ。70年代中期にゴールド・ストラップピンの素材がブラス素材に移行したのは有名な話だから、北米のギターショーに来ているコレクターなら知ってるだろ?

VMあ、なるほど。だから冒頭の「誰も気にしてないですよ」は当てはまらないんですね。

FVわかりやすい例でいえば、1959年のコリーナFVについているゴールドのストラップピンがブラスだったら、なんか変だろ? それだけ交換なんて…。

VMまあ、いっとき「ロックピン」とか流行ったので、一度交換したあと元に戻すのに新しいパーツをつけたとかですかね。

FVいずれにしても、知ってる人は知っていたけど、気にしていない人も気になるポイントなんだよ、ゴールド・ストラップピンの仕様変更は。

VMそういえば次の写真、70年代後期のSG Customも、言われてみればブラスっぽいですね。

FVストラップピンをお守りがわりに財布に入れているギタリストの人を知ってるけど、自分とギターを繋ぐほんの小さなピンポイントだから、メンタルな、すごくスピリチュアルな大切さを…。

VMそんなもんですかねえ(笑)

FVまあ、うだうだ言ってても、気になるとか気にしないって人それぞれだから。個人的には、80年代初期のフライングVにこれが付いてたら「おっけーーーーー」ってね。そんなもんよ。

VMこんど、ナッシュビル・チューンオーマチック・ブリッジの変遷もお願いします。

FVおお、受けてたとう。Made in Germanyね。

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ギブソンのストラップピン - ヴィンテージと現行品の見分け方
ストラップピンは、ヴィンテージギターのパーツの中でも交換されている頻度が高いパーツです。ステージやツアーで使用されてきたギターは耐久性と演奏性から、シャーラーのロックピンのような機能優先のパーツに交換されている場合が多いので、オリジナルのスペックに戻そうとすると意外と苦労します。

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