80年代ギブソンのセールスプロモーションツール
ギブソンがメイプルネックに見切りをつけてマホガニーへの回帰を図った80年代初期。この頃のセールスツールを見ると販売部門が活気に満ちているのがわかります。
ギブソンがメイプルネックに見切りをつけてマホガニーへの回帰を図った80年代初期は、それまでの生産効率重視でミュージシャンを無視した仕様が続いた70年代から脱皮する、新しい時代の息吹を感じます。セールスツールを見ても、販売部門が活気に満ちているのがわかります。
冒頭の写真には、マホガニーネックで復活したレスポール・スタンダード・ゴールドトップ・30thアニバーサリーと、コリーナ復権トリオの1982フライングV・リイシュー、そしてロックミュージシャンからジャズまで幅広く受け入れられた、新機軸のナイロンエレクトリック「チェット・アトキンス」の3本を紹介するフライヤーです。同じカラー写真が当時の雑誌広告として大量に露出されましたので、見た記憶がある方もいるでしょう。
よく見ると雑誌サイズよりも少し広くて、右の8cm程度が折れ曲がるようになっています。これはセールスマンが楽器店の店頭でマネージャーに商品説明する用に、その特徴を簡単に掲載してあるものです。店頭でカタログ代わりに配られたものではありませんので裏面は白紙です。この資料をバインダーに閉じて店頭を回るわけですね。
次の白いペーパーホルダーに挟まっていた白黒のイラストは、アナログ時代の印刷(製版)をご存じの方ならわかると思います。反射原稿用の版下で、切り取ってチラシの一部分にロゴやタイトル、絵柄として拡大縮小して貼り付けます。当時のGibsonロゴが所狭しと並んでいますね。
ていねいに「Insert photo and/or copy of the week special」と書かれていて、この部分に今週の特価商材の写真を載せられるようになっています。写真をわざわざ撮るのが面倒なショップの人は、付属しているイラストを利用して新聞チラシなどの紙面原稿を作るといった按配です。当時はデジタルフォトではありませんから、カメラにフィルムを入れて、撮影して現像に出して、仕上がりを確認して切り貼り…一週間かかります(笑)ああ、なつかしい。いま製版ってあまり聞かなくなりましたよね。
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