ギブソンのレザーストラップ

状態の良いヴィンテージギターを買うと、ケースの中からストラップが出てくることがあります。今回は50年代のレスポール用にギブソンが用意していた革製のストラップをご紹介します。

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ギブソンの50年代のレスポールには、2種類のレザーのストラップが用意されていました。ケースと同じで、ブラウン・タンがスタンダード、ブラックがカスタムです。これらはサービスで付属したり別売されたりしたようですが、コンディションの良いヴィンテージを購入すると、ケースのポケットに保管されたまま出てくることもありました。右上に見えるのは、ブラウンスリムケース用のネームタグです。

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次の写真は、59年のレスポールのハードケースから出てきた、コンディションの良いヴィンテージストラップです。

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一番下がカスタムのブラック、中央はスタンダードのブラウン・タン、一番上は同じBobby Lee/Ace製ですが、ESシリーズやアコースティックシリーズに付属していた、ネック側が巻きつけ式になっているもので、ショルダーパットもブラスクリップではありません。1999年のヒストリックコレクションに復刻版が付属したので、レスポール・ファンには馴染み深いデザインですね。

Bobby Leeは、当時Aceと双璧を成したMade in USAのストラップ・メーカーによってデザイン・生産され、OEMで供給されていたものです。すこしデザインが違う同材質のモデルが、リッケンバッカーやグレッチにも提供されていましたが、ギブソンのものはブラスリングが付いたデザインです。裏から見ると、ブラスの留め金が見えます。

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ブラスパーツをクローズアップして見てみましょう。それぞれに共通した部品が使用されているのが判ります。

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AceやBobby Leeのレザーや華やかな生地のストラップは、当時のグラビアを見ると、あらゆるミュージシャンに愛用されており、その絶大な普及と販売網によりアクセサリーメーカーとしての地位を不動のものとしました。

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昨今、ヴィンテージ・ストラップがブームとなっており、特定の図柄については数百ドルの値がつけられるなど人気です。今回は、未使用・箱入りのAceレザーストラップを最後にご覧いただきます。これは、実際Bobby LeeからOEM供給された、レザーにクラフト模様が入れられた最高級モデルで、バックル部分も豪華です。ただ、ショルダー部分のストラップ通しは、レスポールに付属したのと同じブラスタイプになっていて、大変貴重な資料だと思います。

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