閑話本題

古い写真の整理をしていると、なぜ保存しているのか思い出せない画像がいくつも見つかります。撮影した当時のことをあやふやな記憶を頼りに思い出すのもノスタルジックでいい感じです。

長くギターやパーツの写真を撮り続けていると、整理しているときに「はて、なんでだっけ、この写真撮ったのは…」と、保管していた理由がわからないものが出てきたりします。昭和生まれの皆さん、大丈夫。これは物忘れではなくて「記憶のショート」です。ほっておけば何かのきっかけで思い出したりしますから、あまり深く考えません。

そもそもが男性の脳には、女性のように「断片的な映像や言葉をいちいち繋ぎ合わせて解凍する、イモヅル式記憶機能」は備わっていないので、「なんとなく覚えていればそれでいいや」と私は思っています。

でもまあ大抵の場合は、例えばブラウンケースの鍵を撮影した画像があったよな…と探していたら「アメリカ人が書いたっぽいKeyという文字」の写真が出てきて悩むわけです。

「これは鍵だけ買ったんだっけ、ケースと泣き別れかな…」。気になりはじめると我慢できなくなります。「もしかしたら、キーが入っていないブラウンケースがあるんじゃないか」「雑誌の編集部に貸したんだっけ、戻してもらったかな」。結果、ギター倉庫やパーツ置き場に足を運ぶことになります。

で、パソコンはパソコンで、関連したフォルダを開くと、またややこしい写真が出てきます。SGの低迷期にラインナップされた、SG ⅠとかSG Ⅱが載っています。

これは確かSG Ⅰのデッドストックに付属していたパンフ…あれ、違うなあ。

調べていると、さらにやっかいな写真に突き当たりました。

おかしいなあ、ハングタグの写真ならもっと状態の良いのがあるはず。なんでちぎれている個体をわざわざ撮影したのか…思い出せない。

こっちのタグは綺麗な状態だなあ。誰か著名ギタリストのギターを撮影したときのかな。セガールさんのじゃないし。

綺麗といえばSGのハードケースで、Gibsonバッジが経年変化してないのがあったっけ。よく誤解されるのは、ヴィンテージハードケースにつけられている「Gibson」のブラスバッジ。最初からつや消しの燻製色だったわけではなくて、ぴっかぴかだったんですよね。

金属パーツが全部ぴっかぴかでしょ?記憶が間違っていなければ、これはウィスコンシンの学生街の楽器屋で、Zip Coverに入れられたまま汚れずに保管されていたケースだったような。なのにSGのZip Case Coverの写真が見当たらない。

あ、ケースカバーで思い出した。Gibson Custom Shopも、Vintage Maniacsに感化されたのか、中途半端ではありますが評価できるハードケースカバーを企画していましたね。さすがにこれは見たことないでしょう。ハードケースの中身を私が覚えてない。フライングVのヒスコレ67モデルかなあ…ジミヘンのペイントモデルかな。

VPM(Vintage Parts Maniacs)の記事を書く時には、それぞれのパーツを新しく撮影している場合が多いです。デジカメも画質がどんどん上がっているので、昔撮りためたフイルムの写真はなかなか使いづらい。パーツ関連は、外観のみならず構造を見るのに、こうした「壊れた個体」は大変貴重です。

もちろん、このままギターには搭載できないので、ちゃんとリペアするか、資料として現状で保管するかのどっちかなんです。PAFのボビンもいろんな角度からクローズアップした画像はなかなか出回らないので、きちんと紹介したいです。この写真はHystericPAFのダブルブロンドで、うまく再現しています。

SGといえば、最近面白いメロディーメーカー用のアフターパーツを見ました。

ネット販売されているカスタムピックガードで、ピックガードごと乗せ換えようというアイデアです。Vintage ManiacsでもP-90タイプのピックアップをメロディーメーカーに搭載するとき、キャビティのザグリ改造不要という特集をやりましたが、ミニハムも難なく搭載できて便利なピックガードだと思いました。

あと江口(寿史)君の個展で少女がギターを抱いたイラストを見てきましたが、ヘッドのペグがグローバーに交換されていたり、ボディ全体がエイジドっぽく古びていたり、アームバーが欠損していたりと、なかなかマニアックな視点で描いています。

ダブルカッタウェイ的には、レスポールシェイプで80年代にGibsonがやらかしていたデザインも憎めない。カラーリングとダブルクリーム・ハムバッカーだけだと、手前のサンバーストバージョンはヴィンテージライクですが、武骨なSchallerのブリッジはいただけません。アンバランスな極み。

私も同じGibson Spiritを持っていますが、ハードケースが「純正で購入したはずなのに」ヨーロッパ向けのブルーライニング・ティアドロップシェイプになっていて。

そもそもがこのケースはギブソン製なのだろうか。記憶では黒い「GIBSON」と書かれたベロが内蓋についていたのに、よく見ると全然違っていて販売店のシールでした。

実物を手放してしまって反省しているグッズは、店頭ピックボックスです。

ブログでも紹介しているピック販売用ディスプレイケースで、ノーリン時代は多分これが一番古いのではないかと。いま振り返れば「手放してもったいなかったかな」と思うパーツやグッズの写真がいっぱい出てきます。デニムジャケットでも刺繍やプリントでスタッフっぽく作られているものが非売品の匂いがしてグッドでした。

こうした写真の整理をしながら、当時のことをうやむやの記憶頼りに思い出すのもノスタルジックでいい感じ。

ユニクロが何を血迷うたかFenderロゴのアンダーウェアを出していました。デザインが秀逸で買いすぎて、いまでも穿いています。

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ギブソンのギター弦販売用ディスプレイボックス
ギブソンがノーリン時代に店頭販売用に頒布した単体弦販売用の木製ボックスと、弦の個別包装をまとめた紙製の箱を紹介。ギブソン・オレンジとブラックを貴重としたクールなデザインは、ひと目でこれらが「Gibson製」であることを主張しています。

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