レスポールのトラ目の撮影 - 99年製ヒストリックコレクション

ヒストリックコレクションの品質が一気に向上したのは1999年に40thアニバーサリーと銘打って登場した99年モデルからです。非常にヴィンテージライクかつ高品質な塗装が施され、99モデルが好きというファンも根強くおられます。

非常にタイトなハードロックメイプル特有のバリトラとフレックが美しい99年モデルのヒストリックコレクション・レスポールを入手する機会がありましたので、撮影方法や自然光下でのトラ目の見え具合なども工夫しながらご紹介します。

ヒストリックコレクションの品質が一気に向上したのは1999年に40thアニバーサリーと銘打って登場した99モデルからです。2001年の初期までは米国の環境規制が厳しく施行される前であったこともあり、塗料に溶剤系のラッカーが用いられ、非常にヴィンテージライクかつ高品質な塗装が施されていました。ギタリストやコレクターの中には「99モデルが好き」というファンも根強くおられます。

特にバックとサイドのフィニッシュはマホガニーの美しい導管が見えるほど薄く、木材に染み込んだ感じが出ていてまさしくヴィンテージの雰囲気がします。

またこの時期、つまり99初期の3ケタシリアルの個体は、マホガニーのレッドが紫外線(UV)で退色しやすいのも特徴です。この個体はケースに入れられたまま保管されていたようで、まったく日焼けしていませんでした。

トップはハードロックメイプルで、きれいなフレックが出ています。深く刻まれたバリトラなのに上品に光の加減で変化する、まさに逸品ですね。下の2枚の画像を見ても、とても同じギターとは思えないぐらいの百変化です。

ヘッドストックの表と裏を見てみましょう。少し角が立っていてスリムな印象があります。それとサイドのカーブが少し急ですね。シリアルナンバーのスタンプ位置も、アップグレードを繰り返した2013年モデルと比較すると、どことなくぎこちない感じでしょうか(笑)

さてトラ目の撮影ですが、画像は自然光の下で絞りを3段階変えています。

適正露光は2番目の写真ですが、好みによっては一番最初の写真くらいまで絞ってもサンバーストの加減が良く出ていますね。

次の3枚も同じように撮影しました。

たぶん、多くの方が一番最初の写真の見栄えが良いと感じるのではないでしょうか。昔のフィルムカメラと違い、デジタルカメラはモニターで即時にプレビューして画像をチェックできますから、このように絞りを1段ずつずらしてトラの見え具合を変えておくと、あとあとプリントするときにも選択肢が増えますね。

細部を見てみましょう。カッタウェイから覗くトラ目がかっこいいですね。

ピックアップリングはすでにトールサイズですが、色が乳白色で少し透き通っています。57ゴールドトップなどに搭載されていたものと同じ、旧ヒスコレの流用でした。

ポジションマークはヴィンテージのセルロイドとは似ても似つかない柄ですが、60年代ファンにとっては、これはこれで馴染み深いパターンでしょう。

メイプルのフレックがかっこいいですね。

最後に、いろいろな角度から光を当てたときのフレイムの見え具合をご覧ください。みなさん、どの角度が好きですか?

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