エピフォン・オリンピック(中編) - ギターラインナップとスペック比較
マニアックな人気があるエピフォンのオリンピックは、同ブランドのウィルシャーやコロネットと混同されがちです。今回は各モデルの特徴を簡単に整理し、2本のオリンピックの年代別スペックの違いも見ていきます。
目次
エピフォンのギター・ラインナップ
エピフォンのオリンピックは、作りの良さと左右非対称な独特のシェイプで、マニアックな人気があるモデルです。雑誌で特集されたり、ギタリストの愛器としてレビューされる機会があまり多くないので、CrestwoodやWilshire、Coronetという機種が混同されたり、区別しにくかったりしますね。
それぞれのモデルを簡単に整理すると、次のようになります。
名称 | 指板 | PU | 価格 |
---|---|---|---|
Crestwood Deluxe |
エボニー | MiniHB × 3 | $450.00 |
Crestwood Custom |
ローズ | MiniHB × 2 | $345.00 |
名称 | PU | 価格 |
---|---|---|
Wilshire | MiniHB × 2 | $249.50 |
Coronet | P-90 × 1 | $189.00 |
名称 | PU | 価格 |
---|---|---|
OLYMPIC Double | Single × 2 | $169.50 |
OLYMPIC | Single × 1 | $139.50 |
OLYMPIC Special | Single × 1 | $119.50 |
リッチなサブブランド
ギブソン・ブランドの廉価版がエピフォンと誤解されがちですが、価格で比較すると、1966年のギブソン・ファイヤーバードⅦは379.5ドルとなっており、450ドルのCrestwood Deluxeの方が高額です。同じミニハムバッカー3基とヴァイブローラ搭載で、エピフォンの方が高級な機種ということです。ミニハムバッカー2基搭載のファイヤーバードⅤは289.5ドルで、こちらもCrestwood Customのほうが50ドル以上高いのです。エピフォンは、もしかするとギブソンよりもリッチなサブブランドだったのかもしれませんね。1966年のフライングVですら325ドルで、Crestwood Customの345ドルの方が高額な上位機種になります。
エピフォン・オリンピックのスペック比較
さて、本題のOLYMPICですが、写真の2台を比較して、年代によるスペックの違いを見ていきましょう。
ぱっと見の印象では、ボディカラーの違いぐらいしか気にならないのですが、よく見るとヴァイブローラの位置や、ボディバックのコンターが異なりますね。
ケースは、ギブソンSGとはシェイプが違うので共有できません。ヴィンテージギターショーでオリンピックを購入すると、次の画像の左側のようにSGのチップボードケースに入っている場合がよくありました。
実は、右のエピフォンのチップボードケースは、左にくらべてしっかりした作りで耐久性も良いのです。それもそのはず、SGのチップボードケース(型番116)は15ドル、オリンピックのチップボードケース(型番1115)は16ドルで、1ドルの価格差がありました。
ヘッドストックは、コウモリのイメージがありますね。両機種ともほぼ同じで、ロゴはゴールドのウオータースライド・デカールです。
そうそう、ロゴで思い出しましたが、白蝶貝で作成されるロゴを見比べると、確かに「Gibson」よりも「Epiphone」の方が手が込んでますね。
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