レスポール・アーカイブス「Bird of Paradise」前編

今回の「レスポール・アーカイブス」は、スノーウィー・ホワイトさんからオーダーをいただいて2011年にチューンナップしたゴールドトップをご紹介。「キズや剥がれ方も愛器と一緒にしてほしい」という要望に応えたデイヴ・ジョンソンのエイジドをじっくり見ていきます。

VM (Vintage Maniacs)今回は、スノーウィー・ホワイトさんからオーダーいただいて、2011年にチューンナップしたゴールドトップです。

FV (Fukazawa Vintage Club)彼は、このギターを手に入れたあと、長年愛用してきた愛器を手放したんだ。驚いたよ。Vintage Guitar Magazineのインタビューでも語られているから、リンクを見てみてほしい。

VMHeritage Auction(オークション会社)の広告に出ていたのを見て、僕もびっくりしました。このギターはいつも「肌身離さず」って聞かされていたので。

FVいつか別れがくるものだな。新しい出会いのあとには。

VM①製作途中、②完成品、そして③ピンクフロイドのツアーでバックステージにハンドキャリーした時の様子などを、ヒロさんのエッセイやロケ写真を交えて前後編でご紹介します。

※45年つれそった愛器について、Heritage Auctionのインタビューに答えています。

VMこうしてみると、サンバーストに比べて、ゴールドトップのエイジドって難しそうですよね。

FVそうだね。しかも今回は「キズや剥がれ方も愛器と一緒にしてほしい」という要望だったから、デイヴ(ジョンソン)も随分と細かい部分にまで手を入れてくれた。

VMデイヴのクラックは工房でギターごと冷凍庫に入れてますから自然ですね。塗装のあとは、日サロで使う、人間ごと入れる宇宙旅行カプセルみたいなベッドにギター入れて焼いてますから(笑)

FVせっかくだから、同じルックスで2本作って、ご本人に弾き比べてもらって「好きな方を選んでください」というアプローチにしたんだ。2本を平行して見比べると面白いと思う。

VMほんとだ、微妙に違いますね。

FV個人的には、このアングルが好きなんだよなあ。ちょっとヤツレてるけど、ヴィンテージのラッカー独特のペタペタ感の光沢が、かび臭くって(笑) ホリゾンタルのストレートクラックに、バーティカルクラッシュのスパイダーウェブが交差していて、角度をかえると出たり消えたり。

VM僕はコントロールノブのまわりとか、ちょっと緑青が噴いているニュアンスがデイヴの真骨頂だと感じました。というか、ヴィンテージですよね、プロセスが。

VMで、マホガニーのダークバックだって、「なんでこんな樹液っぽいフィニッシュができるんだろう」って思う。深いウォルナット・ブラウンですね。

FVこっちには、Vintage Maniacsのカレンダーにも使われた写真があるよ。

VM懐かしいなあ。これ、好きなカットです。シズル感っていうんですか、エネルギーが放射されていますよ。改めて「FVさん写真上手いなあ」って思いました。

FVだから職業だって言ってるじゃないか、何度も。商品企画だけじゃなくて、ちゃんと撮影してますよ。

VM太陽光のもとだと、天然のクラックが映えますね。とくにゴールドトップだからか、際立っています。

FVロゴもしっかりとヴィンテージタイプにリプレイスしているから。シリアルは、まあご本人のリクエストなので、これはこれでカッコいいなあって。

FVで、完成したギターを持って、ヒロさんは一路スノーウィーの待つロンドンへ向かったわけだね。

出発寸前の送別写真(笑) このころは成田発のロンドン行きです。

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