なぞのRhombus Plate

スタンダードとカスタムの狭間で長年雲隠れ(笑)していた、70年代のレスポール・デラックス。ご近所のギター友達「ISAOさん」が、チェリーサンバーストの個体を持って、遊びに来てくれた。ご厚意に甘えて、パーツのクローズアップも含めた「稀有のコンディション」にスポットライトを当ててみよう。

最近は、デラックスとの出会いが多い。周囲のギブソン仲間がこぞって手に入れているからだ。高騰する70年代のマホネックLPにあって、このモデルは比較的入手しやすい価格を維持していた為か、同時多発的なブームが起こっている。平たく言えば、「人気沸騰」なのである。

ご近所のギター友達「ISAOさん」が、チェリーサンバーストの個体(写真右)を持って、遊びに来てくれた。すこぶるコンディションが良く、ハードケースも含めて当時のスペックを維持している。70年代の生産本数はメイプルネックを含めて11,402本。この数は同時期のゴールド・トップ・モデルの14,967本に次いで多い。2000年に入ってからは、ヴィンテージギター・マーケットから姿を消していた印象があるのは、オーナーが手放さないからだろう。ご厚意に甘えて、パーツのクローズアップも含めた「稀有のコンディション」にスポットライトを当ててみよう。

とにかくコンディションが良い。今日、店頭で新品を買ってきたと言われても、信じてしまいそう。

ミニハンバッカーには、ロゴが入っている。これは嬉しいし、カッコいいね。ロゴ無しのミニハムが多い中「当たりの個体」だ。

ここからくり出される美しいウーマントーンと、取り回しの良い出力は、カスタムでもスタンダードでもない、絶妙なポジション。当機はクロームパーツ。ノン・ポールピースのファイアーバードにも、Gibsonロゴ刻印のミニハムがあった。

PUカバー刻印は、70年代に入ってからのスペック。画像のFirebird Vはメダリオン。

メダリオン・ファイアーバードと当機を良く見比べていて、共通点を見つけた。小さなパーツの大きな発見である。

ネジじゃなくて、釘で留めてある。随分と乱暴だな。ストラップ・ピンがボディに食い込むのを防ぐ、ガードの役割なのか。あるいは、ネジ穴を開けるときに、欠けたラッカーの目隠しか。70年代のパーツリストに記載がないから、失くすと買えなかったんだろう。となると、レギュラーパーツではなくて、工場で「なにがしかの理由により取り付けられた部品」だ。

メダリオンでも、このプレートが付いている個体と付いていない個体があります。
トラスロッド・カバーのDeluxe文字は「彫り込み」で、レイヤーのホワイトが太目の初期型。

Deluxeのロッドカバーについての詳細は、下記リンクをご参照ください。

レスポール・デラックスのロッドカバー - トラスロッドカバーかく語りき 前編 その3

レスポール・デラックスのロッドカバー - トラスロッドカバーかく語りき 前編 その3

2019.5.31

ISAOさんの個体は右から2番目。
「Deluxe」の字体は共通していますね。
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スイッチプレートの“R”はタレ目。削り出しっぽいですね。
Nashvilleタイプに代わる前の、ダイレクト・スタッド・ABR-1。マニアには嬉しいスペック。
何度見てもカッコいい「Gibson」ロゴとクロームパーツの組み合わせ。
ポジションマークの柄は、70年代初期~中期まで使われた、独特な模様です。
見たことないくらい「ぶっとい」バインディング。

同年代の他機と比較してみました。

6弦側のバインディングも、太目に見えますね。
Kluson社製の「Gibson Deluxeペグ」も、手つかずのオリジナル。
ハードケースも、コンディション良くて綺麗です。レスポール用でフラットトップはレア(左側)。
フックが下段のケースと異なっています。
メタルキャップノブは、ローレットが膨らんでいる70年モデル。

スタンダードとカスタムの狭間で長年雲隠れ(笑)していた、70年代のデラックス。いかがでしたでしょうか。写真たっぷりでご紹介できたと思います。70年代って、1959年から数えると、干支が一周する12年ぐらいしか経っていないですから、今から振り返れば、本当に「バーストの弟」ぐらいの年齢差ですね。マニアが着目するのも分かります。こうして手に取って触れてみると「おーーーー、マホネックのヴィンテージLPやあああ」って、なるわけですよ。いいなあ、欲しいなあ。

Vintage Maniacsのカレンダーにも登場したブラウンバースト。
レッド・スパークルとの2ショット。

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