レスポール・デラックスのロッドカバー - トラスロッドカバーかく語りき 前編 その3
今回のロッドカバー特集はDeluxe。年代によって変わる白黒層の厚みの違いなどをご紹介。他にもStandardとClassicのロッドカバーや、当時のギブソンのパーツリストに掲載された価格なども見ていきます。
目次
彫り文字と箔押し
VM(Vintage Maniacs)前回の記事以上にすごいトラスロッドカバーは出てきそうにないんですが…。
FV(Fukazawa Vintage Club)まずはギブソンのパーツバインダー見てみようか。表紙が黒なので、ブラウンのよりは新しいね。
FVベースのロッドカバーは「Hot Stamp」って書いてあるだろ?これは、彫り文字ではなくて箔押しってことだな。
VMなるほど、それを説明しておいてから「Deluxe」のロッドカバーを年代別に解説するんですね。さすがだ。
FV(笑)
Les Paul Deluxeのトラスロッドカバー
VMLes Paul Deluxeって60年代の終わりから80年ぐらいまで、結構長期にわたって販売されていたんですよね。最後はPro DeluxeというP-90ピックアップ搭載モデルもありましたが。
FVそうだね。70年代中期にはStandardがディスコンになったのにDeluxeは生き延びた。ロッドカバーからも、よくわかるよ。
VM年代別に古いほうから並べると、こうなるんですね。
FV一番左は白のレイヤーが厚いだろ?2つめは70年代初期だけど、ちょっと白のレイヤーが薄くなる。ほんのちょっとだから注意して比較しないと見落とすくらいの微妙な違いだ。裏から見ると、一番右の白は2Pの新しいバージョンだよ。といってもヴィンテージだけどね。
白黒の層の厚みの変化
VMひとつずつ見ていきましょう。下の2つは似てますね。
FV次は白のレイヤーが薄くなったバージョン。
FV最後は印刷のDeluxe文字。2プライだな。
FVこうするとわかりやすい。
StandardとClassicのロッドカバー
FVStandardにも、同タイプの印刷文字があったな。
VMStandardは白文字なのに、Classicがゴールドの箔押しなのは合点がいきませんね。
VM裏から見ると全部2プライ。
VMでも、白レイヤーの黄ばみ具合で年代がわかりますね。
FV勢ぞろいするとこんな感じ。
当時のロッドカバーの価格
VMそういえば、別売パーツとしてのロッドカバーって、当時はいくらで販売されていたんですかね。
FV有償アフターパーツの価格リストが、バインダーに挟まれて残っていたよ。例えばLes Paul Standardのロッドカバーは9.5ドルと書かれている。
VMおお、ほんとだ。高いのかな、安いのかな。
FV同じリストに記載のハムバッカー・ピックアップは75ドル。
FV価格差は7倍くらいか。現在のバーストバッカーの価格が15,000円だとしたらロッドカバーは2,000円。当時のロッドカバーは高いね(笑)原価でいえば、プラスチック成型のカバーなんてただみたいなもんだろ。
VMその発言、製造業の企画部門経験者としては問題じゃないですか?(笑)
FV撤回します。
ロッドカバーの厚みを比較
VM3プライ、2プライと見てきましたが、1プライにも年代の差がありますか?
FV1プライはジュニアやメロディーメーカーに搭載されていたけど、薄いプレートを切り出したものが使われていた。次の写真の左側だね。
FV80年代に入ると切り出しでもコストが高かったのか、成型品になってしまう。上の写真の右側は分厚いよね。ギブソンって、しっかりと効率化とか無駄の排除とかやっているから偉いなあ。
VM最後に、Standardに搭載されていたロッドカバーで3プライの厚みの違いを見ておきましょう。
VM上の写真の上(左)側が68年です。68GTに搭載されていました。下(右)側は70年代初期のSG Standard用。次の画像の下側は、70年代中期の
SG Standard用。裏から見るとシェイプも違っていますよ。
FV時代だねえ(笑)
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