日曜日のギターは、このやろー!! Part 1

「時間と趣味だけは存分にありそうな友達(笑)」に声をかけて、日曜日の朝から「遊ぶ」ことにした。ギターって、弾くだけじゃなくて、見ても楽しいし、撮影ロケだって十分に酒飲み話だ。

小説『終わった人』の作者によると、定年を迎えたり雇用延長を終えた人(概ね60代男性)は、「もっと仕事がしたい」という本音を、なかなか口にしないらしい。口にすれば「ワーカホリック」だの「貧乏性」だの「他に楽しみがないのか」などと言われる…からだと。

いやいや、勘弁してくれ。趣味があろうがなかろうが、俺たちは「現役で仕事がしたい」のだ。ミック・ジャガーやクリント・イーストウッドには定年がないのに、なんで俺たちだけ「じゃあね、ありがとね」って言われるんだよ。

ちくしょー!!残念ながら定年後のスタートは、「毎日真っ白なスケジュール表を眺め、行くところもなく、三度のメシばかり気にしている、妻からおっくうがられる日々」が待っているって訳だ。

そんな事を考えてメランコリーになったから、とりあえず「時間と趣味だけは存分にありそうな友達(笑)」に声をかけて、日曜日の朝から「遊ぶ」ことにした。ギターって、弾くだけじゃなくて、見ても楽しいし、撮影ロケだって十分に酒飲み話だ。

ロケには自作のネーム入りTシャツを着ていこう。所さんの世田谷ベースで紹介していたMARSHのステンシル打抜機を買っちゃって作ったんだよね。だから少々寒くても、半袖のこいつを着るぜ。

てなことをブーブーいってたら、Kさんが58レスポールを持ってきてくれた。うー、気分があがるね。オリジナルのバースト近影は久しぶりなので、一気に紹介するよ。

まずは、シュリンクしないKluson Single Line。いいねえ、安心感があって。59は撮影ですらツマミが崩壊しないかピリピリしちゃうからね。

ヘッドのGibsonロゴは加工精度が高い。60年以降とは明確に違って見える。

ディッシュマーカーはセルロイド製。マーカー自体のサイズと、インレイのための加工に結構すき間があってラフなのがわかる。これはマーカーがシュリンクしたのではなくて、もともとそうなっている。

あとは順にボディを含めた詳細画像を撮影したから、見て楽しんでほしい。

これはジャックプレート。59以降と異なり、エッジがラウンドしているね。

テールピースとブリッジは、ニッケルメッキが程よく錆びている。テールピースのアンカー部分、手作業で施された面取のアーチは、単なる金型成型だけでは作り出せない、ちょっとしたギブソンのコダワリかな。

それと、バーストに搭載された状態でのノブ。この美しいサイドスカートは、サンバーストによく似合う。

「定年小説」とやらで勝手に俺の人生を「老人のたまり場」扱いされてたまるか。って強がる暇もないくらい、ギターとの還暦ライフを堂々と楽しもうじゃないか。

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