ゴールドトップ、永遠(とわ)へ 第三話 「RTF -Return To Forever-」
全3回でお届けする「ゴールドトップ、永遠(とわ)へ」の最終回。ポジションマークをヴィンテージからサルベージした50年代後半のセットに交換。レストレーションとオリジナルの交錯する「コンバージョンならでは」の魅力をお楽しみください。
VM (Vintage Maniacs)シリーズ最終話は、ポジションマークの差し替えと、完成形のクローズアップですね。
FV (Fukazawa Vintage Club)ポジションマークは、ヴィンテージからサルベージした50年代後半のセットに差し替えるんだけど、あまりカチっと綺麗にやると古さが損なわれるから、加減が難しい作業だな。
VMいま搭載されているのを外す作業でも、受けてくれるレストーラーが結構少ないです。
FVそりゃあ、50年代のレスポールとなると、オーナーとの信頼関係というか、「何かあっても許す」みたいな暗黙の了解がないと手を付けにくいね。
FVっていうか、ほぼ、いないだろうなあ。
VMあっという間に、綺麗に剥がれました。横に置いてあるのが、ヴィンテージのポジションマーカーですね?
FVマスキングするとミイラみたいだな。
FVかなり高度でニッチなレストレーションをやってくれているのが、わかるだろ?
VMこれって、わざわざ「ポジションマークと指板の間にミゾを付けておいて、そこにベタベタの塗料がはみ出していて、経年でちょっとポジションマークが縮んだ雰囲気」を出しているわけですね?
FVうーん、長い割にはわかりにくい解説だけど、まあそんな感じだな。
VMそして、乾いてからちょっと手を加えると、まさにヴィンテージだ!! すげえ!!
FV見てよ、この違い。リアル!
VM加工済みと未加工を比べると、わかりやすいっす。
FVやっぱり、演奏的にも視覚的にも、一番気になるネック&フィンガーボード&ポジションマークだから、妥協せずに作業してもらえて感謝しとります。
VMちょっとひと休みで、Dave Johnsonのポジションマークを入れてもらったバーストと比較した画像をご覧ください。どちらの作業もMさんです。
VMフレットを揃えるときのマスキングも丁寧ですね。
FV概ね完成してきたところで、各部のクローズアップに移ろう。
VMこれは、まあ天気も良かったので屋外で、のらりくらりと撮影したカットです。
FV確かに、「のらりくらり」撮影してたね。あっという間に夕方になっちゃったから。
VMここからは細部をクローズアップして、レストレーションとオリジナルの交錯する「コンバージョンならでは」の魅力をお楽しみください。
FV私の解説は、いらないの?
VMまあ、一目瞭然ってことで。今回は黙っててください(笑)
VMいやあ、こういったディテール見せられると、匂いまで嗅げそうです。
FV実際、ヴィンテージパーツは臭い(くさい)匂いが特徴だから、そこは大切な要素かもしれんな。
VMポットとか、どうして変えちゃったんですか? バンブルビーはオリジナルっぽいけど。
FVオリジナルのポット、ちゃんと保管してあるよ。最近は、こういった音に関連するパーツがすごく重視されているから、ニーズも増えてきて、なかなか市場に出なくなってきた。
VMネジ1本たりとも捨てないFVさんからすると、やっと時代がきた!っていう感じですか?
FVというか、コレクターの人達が勉強熱心でリテラシーが上がっているのが実情だし、その分、自分自身も、もっともっとディテールを観察して知識を発掘しないとね。
VMバックプレートとかスクリューとか、このあたりがフルオリってのも嬉しいです。
FVまあ、音には関係ないといえばそうなんだけど(笑)
VM今回は、いつもお世話になっているMさんの根気強い作業と最上級の腕前、そして全体をまとめる感覚に、FVさんに代わってお礼申し上げます。
FVいやいや、私もちゃんと感謝してますよ、君に代わってもらわなくても。
VM最後にひとこと言っていいっすか?
FVどうぞ。
VMエイジドのヒスコレハードケース、かっこいい。欲しい。
FVあげないよ。
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