Vintage Zemaitis その3 - Z&PJE&GTZ(後編)

Made in Englandの至宝「Zemaitis」を紹介するシリーズの第3回(後編)。今回はStudio EASEでのフォトセッションに加えて、デザインが印象的なヴィンテージ・モデルをご紹介していきます。

カスタムメイド・ギターにおける、唯一無二のトップ・ブランドとして、ミュージシャンの創作意欲を満たして余りある満足を与えてくれた“トニー・ゼマイティス”。彼の作品に触れると、「木部は木の質感、金属は金属らしく、そして白蝶貝はシェルの手触りが使い手のギタリストに伝わる、有機質な楽器」であると感じるでしょう。

素材を素材らしく使う。トニーは生涯を通じて「マチエール」に対する思い入れを大切にした製作家でした。今回は、Studio EASEでのフォトセッションに加えて、デザインが印象的なヴィンテージ・モデルをご紹介していきます。

VM今回は後編ですね。ゼマイティスに話を戻しますと、やっぱり白蝶貝とかメタルのエングレーヴィングとか、ゼマイティスらしさっていうか、パターン化した特徴的なデザイン・アイデンティティーがコレクターにとっては大切な要素でしょうか。

FVまあ、どこから観ても「これはゼマイティスですね」という、ある意味形式化した様式美は、収集する側にとって大事なポイントだろう。レスポール・スタンダードとフレイムトップやゴールドトップがセットになっているように、直観的なブランド・デザインかな。

VMいくつか気になるショットがありますので、紹介してください。

FVまず、これ。「アルフォンス・ミュシャの春夏秋冬」に登場する可憐な女性をダニーが見事に彫金している逸品だ。しかも、ボディバックのプレートに施されているから、オーナー以外はディテールを共有できる機会が少ない、排他的コレクションだ。

VMこっちの白黒ペアを解説してください。

FVうーん、これは語ると長いからなあ…。

VMじゃあ、いいです。次いきましょう。

FVおいおい、そっけない事言わないで。これ、GLAYのHISASHIさんとコラボさせていただいたGuiltyとJusticeというモデル。同じデザインでも、カラーリングの反転で、絶妙にテイストが異なる。いわゆるExperimentalなデザインの試作品から、そのまま量産になったという。

VMピックガードの柄が好きなんですよね。僕も1本持ってますよ。Zodiac Worksバージョン。

VM見かけによらず、丁寧にデッサンするんですね(笑)

FV見かけどおりだろ? そりゃ、ちゃんと描きますよ。ほら、デッサンも。

わざわざ絵柄がかっこいいトランプを選んでます

VMいやあ、舞台裏を見るみたいで、けっこうワクワクしますね。

FVデザインは、考えている時間が長いわりに、アイデアが降ってくると、あっという間に仕上がる。そんなインスピレーションの感じ。

VM語り始めると終わりのないZemaitis談義ですが、こっちのGTZのダブルネックをご紹介しておきますね。

ダブルネックというか、ダブルボディというか、ダブルギターというか、だまし絵的な面白さと、ステージでのインパクトを、12弦/6弦にまとめました
鉛筆と紙があれば、いつでもどこでも、ギターのデザインを考えています
初期のJustice用ピックガード・デザイン。ヨーロッパ調のリーフを中心としたライン
トニーに筆者がオーダーした、Soloの原型モデル
いつか、Studio EASEさんで、読者の方々と、持ち寄ったヴィンテージ・ギターの撮影会&スワップミートを開催したい

VMこれは、いつ拝見してもインパクトありますね。ステイタス・クォーのリック・パーフィットが1984年の「End of the Road Tour」で使っていた1PUのドラゴンです。YouTubeでも見られます。

FVヴィンテージ・ゼマイティスというからには、このあたりもちょっとご紹介しておこうかなと。

70年代は、トップに貼られたメタルプレートも、三日月型や、甲冑風、ハート型など、ありとあらゆるシェイプが試されていて、それぞれ独特に「ステージ映え」しています

VM曲線がかっこいいんですよね、トニーのデザインは。フリーハンドで描いているんだけど、双曲線とか放物線、螺旋のような、なにか自然なカーブを描いていて、無理がないんですよ。

FVそうだね、グランドピアノの本体は、1オクターブ上がるごとに弦長が半分になって、その法則でロジカルなカーブを描いている。トニーの曲線にも、随所に自然体のままの、作者が描いた筆跡にような温かみがあるっていえば、いいのかな。

世界で最も有名なZemaitisベースの1本。日本が世界に誇るロックンロールベーシスト「テツ・山内(元フェイセズ)」の愛器
特徴的な糸鋸のカットが遺るキャビティ

VMこれってポストカードですよね。いつ作ったんですか?

FV30年くらい前だね。デジタルカメラが普及する前の時代だ。リバーサルフイルムでロケした入魂の「ポストカード」は、今となっては超貴重(笑)

VM当時はフイルムの現像が上がってくるまで写真の出来栄えが分からないんだから、ロケなんて、ほとんど「直観と経験」だけの、ぶっつけ本番だったんでしょうね。

FVまあ、あたらずとも遠からず。とくにメタルに刻まれたエングレイヴは、光の当たりかたで、ぐっと浮き出てくるから、コツをつかまないとね。

VM僕が好きなカットはこれかなあ。カラフルな背景と銃器のような漆黒のギターがコントラストとしてインパクトあります。

FVこのギター(Zemaitis:Hearts and Soul)を、椿アンナさんがアートにしてくれたのが、これ。プライベートに依頼した作品なので、彼女の展示会でもお披露目していない、まさにパーソナルコレクションだよ。

VMむっちゃ自慢してて感じ悪いなあ…。

FVすまんすまん。ついZemaitisの事になると力が入っちゃってね(笑)

シェルのギラギラ感がうまく演出できた、珠玉の一枚。大のお気に入り

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