灼熱のエイジド加工

Dave Johnsonが教えてくれた「Do It Yourselfのエイジド」にチャレンジしてみましょう。DMCも同じ手法で表面の経年劣化加工を施していましたので、自然な仕上がりにはお勧めです。 御用達(微笑)の漂白剤は北米のスーパーマーケット「Target」や「アマゾン通販」で簡単に手に入ります。

ニッケル・パーツのエイジドやエイジング処理という単語がギター・マニアの間に拡散したのは、1999年に復刻した「ヒストリック・コレクション」から始まる「Les PaulのAged Version」が起点です。もう、かれこれ四半世紀に及ぶわけで、みささんもすでに、ご自身で加工処理にチャレンジされたこともあると思います。 

基板加工用のエッチング液を使う方法もあるのですが、有害物質の中和・廃棄処理に手間がかかりますので、今回は手に入りやすい液剤と小道具で、Dave Johnsonが教えてくれた「Do It Yourselfのエイジド」にチャレンジしてみましょう。DMCも同じ手法で表面の経年劣化加工を施していましたので、自然な仕上がりにはおめです。

Dave Johnson御用達(微笑)の漂白剤は、北米のスーパーマーケット「Target」や「アマゾン通販」で簡単に手に入ります

VM (Vintage Maniacs):…ということで、お手伝いにまいりました。

FV (Fukazawa Vintage Club):お、エプロンとゴム手袋とゴーグル持参か。本格的だね。

VM:一度エッチング液でトライしたら、表面のニッケルプレートが浸食されて下地の銅メッキまで出てきちゃって…悔しい思いをしたので、リベンジで手順を踏んでがんばります。

FV:まあ、時間を短縮したいならエッチング液もいいけれど、気長にゆっくりやろうよ、今日は。

VM:言われたとおり買ってきましたよ。「サンポール」と「キッチンブリーチ」。ショップの店員さんに「これ、混ぜると死にますから使うとき注意してください」って念を押されました。

FV:そうだね、使うとしてもどちらかひとつ。今日は、緑色の液体「サンポール」にしよう。

VM:準備した小道具は、すべて身近で入手したものです。

FV:消耗品なので高額なものを揃える必要はないね。えっと、こんな感じかな?

  •  サンポール
  •  ステンレスワイヤーブラシ
  •  タッパーウエア数個
  •  プラスチック簀子(小)=メッシュボード
  •  砂もしくは木くずマット

VM:えー、たったこれだけでエイジドできるんですか?

FV:そうらしい。まずはやってみよう。

タッパーウェアに敷くメッシュボードを、中に入るサイズに切ります 

VM:ぴったり入るサイズにできました。 

FV:相変わらず、こういう作業は器用だね。

VM:次は液を染み込ませるマットと、パーツの表面を細かく傷つける「ステンレスウール」です。

これもホームセンターで手に入ります

VM:では、1回目のチャレンジです。エイジドに使うのは「DMCのデッドストック ニッケルメッキ・アルミテールピース」です。

FV:今となっては手に入りにくいパーツだから、貴重かつ贅沢だね(笑) 失敗しないように頑張ろう。

あらかじめ、ニッケルメッキの表面にスチールウールで細かな傷をたくさんつけておくと、綺麗に曇ります
Dead Mint ClubのTailpieceプレーンを4本用意
ケースにマットを敷いて、サンポールを適量入れました
液が直接メッキに付着しないようにメッシュボードの上にならべましょう

VM:Dave Johnsonのメモには「この状態でカリフォルニアの灼熱の日差しに6時間あてる」って書いてありますが、これは東京の日差しでも良いんですか?

FV:湿度次第だな(笑) 

VM:湿度かあ。それと、処理するときの温度ですが…。

FV:ニッケルメッキの剥離液温は「50~60℃」となっているけど、そもそも剥離するわけではないので、エイジド処理では、サンポールがミスト化する温度を参考にしようか。

VM:とすると、灼熱(笑)の炎天下に蓋をして放置しておけば良さそうですね。

FV:それでいいんじゃないの?

VM:温暖化の夏はエイジド天国だ。

6時間放置したのち、一度テールピースを水洗いして、さらに翌日6時間放置

VM:お、なんだかいい感じにできましたね。

FV:初回からうまくいくと、ありがたみがないなあ…。でもまあ、ギターに搭載した状態で何年か弾いていたら「曇りました」っていうのが現実だから、そんな途方もないテクニックということではないだろう。

VM:では、次は「Gibson純正 made in USAのアドバンスド・プレーティング製ニッケル・アルミテールピース」の登場です。これはニッケルメッキの表面がツルツルしてて、手ごわかったですよね。

FV:なんか、メッキの質がちょっと違う印象あるね。

VM:あれ、少し緑青っぽいのが発生していてリアルですね。

FV:だろ? これは、後工程で付着加工している「さび」で、私もやっていてカッコいいと思う。

Dave Johnson直伝の緑青

VM:さっそく取り付けてみましょうよ。

FV:そうだね、ゴールドトップとサンバーストにそれぞれ搭載してみよう。どうだろう、うまくできたかな?

VM:スタッドがリアルですね。次回、やり方を公開してください。

FV:ごめん、スタッドはヴィンテージだよ(笑) ついでといってはなんだけど、ノブも同じ方法で2日くらいかけるといい感じでエイジドできたよ。

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