音の本棚 - アメリカの良心! Rickenbackerを買おう

アメリカで長く生き残ってきた、数少ない製造業の魂(スピリッツ)を体現しているリッケンバッカー社。 復活したヴィンテージスペックのモデル達をはじめとして、今日まで独自のサウンドを提供しつづけている同社が、これからも永遠に「Made in USAの330」を作り続けてくれることを願っています。

コアなファンは多いのに、なぜか「コレクターです」という人がまわりにいないギター。それが、私と「Rickenbacker」の距離感です。ビートルズやトム・ペティ、ポール・ウェラー、そしてスザンナ・ホフスを思い浮かべる人も、「だれのどれがどのモデル番号か」を言い当てるのは至難の業です。

Richard Smith氏によって1987年に発刊された書籍『Rickenbacker』は、そんな「あまりにも有名なのに少量多品種、スペックまちまち、カタログ手に入らない」というファン泣かせのアメリカン・ギターを俯瞰するには完全無敵な一冊でした。

右は、その8年後に出版され、空前のリッケンバッカー・ブームを押し上げた日本版です。といっても単なる翻訳版ではなく、あらたに取材された記事・インタビュー・写真を含む「バージョンアップ版」になっていて、良質な一冊です。で、そんな書籍を本棚から引っ張り出してきて眺めているうちに、「そういえばリッケンバッカーって、まだ生産してるのかな?」なんて想いに耽るわけです。

まずは1980年の『ギター・カタログ』で値段を見てみましょう。330というモデルが231,000円です。ギブソンやフェンダーと肩をならべる価格でしたね。


2001年のカタログでは275,000円ですから、当時は「20年たっても定価(標準小売価格)がほとんど変化していない」点で、良心的なメーカー&代理店だと感じていました。そのまた20年後の2020年には335,000円になっていますが、40年間で10万円しか定価を上げてないんですよね。

リッケンバッカーというメーカーは、NAMMショーやギターショーで、綺麗なモデルさんをブースに立たせているイメージがあります。「ロックとスピードとSEXは三位一体だ」と卒論のインタビューで語ってくれたのは、かのRoland社長「梯郁太郎」氏ですが、古今東西関係なく、やっぱり美人さんとギターは似合いますね。

ギブソンのカスタムショップ・カレンダーも、かつては絢爛豪華なペントハウスモデルとギターの競演でした。

そういえば北米でこんなマガジンが出版されています。アナログ時代の良き出版物です。

さて、手元にある1996年製の330。とにかくRickenbackerらしい出で立ちとロカビリーなサウンド、そしてなによりも「変化しないかっこよさ」で、長年弾きこんでいる愛器です。

立体的な樹脂成型ロッドカバーは、サメの歯のように鋭角なラインがクールです。ペグは、この時代すでにKlusonからシャーラーに移行していますが、デザイン的にしっくりはまっていますね。

ロッドカバーを外すと、トラスロッド2本仕込まれているのがわかります。なんだか調整はむずかしそうですね。こんな手の込んだ仕様で作っていたら、さぞかしコストがかかるだろうと心配してしまいます。しかも、パーツは、どれをとってもRickenbackerオリジナルです。

トグルスイッチのつまみくらい、汎用性があるものでも良さそうですが、そこがコダワリです。そして筆者がもっとも気に入っているのが、お洒落なデザインと扱いやすさが秀逸なコントロールノブで、プレートの文字のレイアウトも含め、ギターノブのベストデザイン賞だと思っています。

330のピックガードは盾のようなシェイプをした部分が分割されており、ゴムでとめられ、本体にネジ留めされているピックガード部分から浮いています。なんて手の込んだデザインでしょう。

アメリカで長く生き残ってきた、数少ない製造業の魂(スピリッツ)を体現しているリッケンバッカー社へのリスペクトを込めて、手元のカタログも紹介させていただきます。曽我部敏雄さんがRICで復活させたヴィンテージスペックのモデル達をはじめとして、今日まで独自のサウンドを提供しつづけている「リッケンバッカー社」が、これからも永遠に「Made in USAの330」を作り続けてくれることを願っています。

読者のみなさん、ぜひ「迷ったら買おう、リッケンバッカー」って、胸に刻んでね。

下段のRICバージョンが一番好きなカタログ
Tシャツのデザインがかっこいい
2000年前後のバージョン。なんと、アコギも作っていた!
ちょっと豪華版のリーフレット
ビートルズが登場するLimited Editionカタログ
大好きな「RIC」ロゴがハードケースについています

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