Gibsonヘッドストック・ロゴの移り変わり - 50年代~60年代

50年代のGibsonロゴは切り抜き精度が高く60年代とは決定的に異なって見えます。そして50年代のロゴは、59年前半と59年後半の2種類に大きく分けられます。これらを見分けるには、“b”の肩の部分や、“O”の内円に注視すると良いでしょう。

50年代の白蝶貝製Gibsonロゴはスクリプト(上の画像)を除いて、オープンオーのシェイプとなります。“O”の内側の切り抜き精度が高く、マスキングされていないのが特徴で、60年代とは決定的に異なって見えます。一方で50年代のロゴは、59年前半と59年後半の2種類に大きく分けられます。

上の写真の下段が59年前半、上段が59年後半ですが、こうして比べると、もともとの切り出しデータがまったく異なるのがわかります。つまり一般にいわれる“マスキングによる個体差”ではなく、ロゴのシェイプ自体がこの59年前半と後半で変更されているのです。これらを見分けるには、“b”の肩の部分や、“O”の内円に注視すると良いでしょう。

62年のレスポールSGに搭載されるネックのレフトオーバーでは、インレイのアウトラインが綺麗に観察できます。柊の突き板も、そのソフトでフレキシブルなタッチから他の木材では代えがたいようです。

このロゴは“O”の内周が平行にならないのが特徴です。実際のレスポールSGに搭載されているロゴを見るとわかりやすいのでご覧ください。

同じレスポールSGでも、初期には59年タイプのロゴが採用されている場合もあります。

工場内では“パーツとしての突き板が先入れ先出し管理できていない”あるいは”クラウンインレイ入りは余剰在庫となって、50年代後半に製造したものが60年代まで残った”と考えられます。

突き板のデッドストック・レフトオーバーパーツを比較すると、目止め剤が59年と63年で変更されているのも興味深いと思います。

もともと、この時期のGibsonならびにEpiphoneのヘッドストックロゴは、裏からセロテープで押さえてロゴを置き、目止めのパテで埋めるという一貫した工程になっています。

ロゴを搭載した突き板は塗装されるまではこのようなむき出しの状態で、パテ埋めされた部分だけが黒くなっています。次の2枚の画像を比較すると、どちらが50年代かわかりやすいですね。

近年のギブソンではリイシューやヘリテージ80モデルで不評だったロゴがヒスコレ前後から一新され、よりヴィンテージに近づいたシェイプになった感じがします。

斜めから見ても統制がとれた美しいロゴです。

同じ角度のヴィンテージと比較してみて、皆さんはどのような印象を持ちましたか?

余談ですが、同時期のベースにも同じロゴが搭載されていてノスタルジーを感じます。

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