ライトニングバーブリッジでオクターブ調整を改善

ギブソンは60年代に入るとジュニアやスペシャルに搭載するコンビネーションブリッジを、ライトニングバーブリッジと呼ばれるオクターブチューニングを改善したパーツに移行させています。ギブソンはこうしたパーツにもかなり気合を入れて企画していますので細部を見ていきましょう。

ギブソンは60年代に入ると、比較的普及価格帯のモデルであるジュニアやスペシャルに搭載するコンビネーションブリッジを、ライトニングバーブリッジと呼ばれるオクターブチューニングを改善したパーツに移行させています。このブリッジは細かくピッチ調整ができるABR-1と比べるとそれほど正確でありませんが、おおよそのピッチが合うようにあらかじめ突起が形成されているブリッジで便利なものでした。

次の写真は下側がヴィンテージです。階段状の突起が6弦から3弦まで上がっていき、2弦でいったん下がってまた上がるという、3弦が巻弦であったころのセッティングです。画像上側はギブソンがヒストリックコレクションなどに搭載している3弦がプレーン弦のタイプです。2種類のバーブリッジは直観的には同じに見えますが機能的には全く異なります。

ヒストリックコレクションでの復刻はヴィンテージのプレイヤー(オーナー)にも大変うれしいパーツであることは間違いありません。ギブソンはこうしたパーツにもかなり気合を入れて企画していますので細部を見ていきましょう。よく似ていますね。

1弦側のアンカーには「12809」というパーツ番号が刻印されています。この刻印はヴィンテージもヒスコレも同じです。

反対の6弦側には「TPBR8513」と記されています。見比べなければ区別しにくいですね。

最後の画像は弦のボールエンドを止める部分です。各弦の間の山に注目すると、ヴィンテージの方が若干緩やかなカーブを描いているように見えます。

ここまで見てくると、この記事最初の画像のメロディーメーカーとSGは、どちらに搭載されているライトニングバーブリッジがヴィンテージか、もうおわかりですね。

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