Silvertone 1446 - 五角形のピックアップリングの謎
Silvertone 1446 Chris Isaak ModelにはギブソンがOEMで製作したスプリットコイル・ミニハムバッカーが搭載されていました。特徴的な五角形のピックアップリングと、年代ごとのポールピースの形状をご紹介します。
ギブソンのOEMピックアップ
ミニハムのピックアップリングといえば、長い間謎だった五角形の個体があります。ビザールっぽいデザインだな…と思っていたら、ギブソンのギターではなく他社ブランドに搭載されたOEMピックアップなのだそうです。
このギターを調べたら1960年代にHarmony社が製造しSilvertoneブランドで販売された「Chris Isaak 1446」モデルでした。ギブソンがパーツを社外にOEM提供したというのはあまり聞かないので、裏側のパテントナンバーデカールを見るまでは、にわかに信じがたい話でした。しかし一方でピックアップリングのデザインがギブソンっぽくないという点では、もしかするとピックアップ本体以外はHarmony製かもしれません。
セス・ラヴァーが開発したスプリットコイル・ミニハムバッカー
Mike & Mike’s Guitar Barの解説によると、ピックアップ自体はセス・ラヴァーが開発したスプリットコイル・ミニハムバッカーで、ミッドレンジの音色とタイトな低音を随分と称賛しています。セス・ラヴァー氏は同様のコンセプトでフェンダーのテレキャスター・デラックス用のワイドレンジ・ハムバッカーもデザインしており、ポールピースのレイアウトが特徴的です。確かに高音弦と低音弦のポールピースの位置の違いが、なんともビジュアル的に「ワイドレンジ」な感じがしますね(笑)かなり好きです。
この五角形のピックアップリングがギブソン製かどうかを調べていますが、まだ何とも断定できません。ただ、樹脂のクリーム色は、50年代のクリームエスカッションと同系色に見えませんか?
ピックアップを裏返すと、見慣れたデカールが出てきます。
年代によって異なるポールピースの頭の形状
ポールピースも同年代の共通部品です。
年代ごとにポールピースを並べてみると、なぜか頭の部分の面取りが違っています。ポールピースの頭の形状はサウンドに随分影響しますので、ストラトでも面取りをしていないと、チョーキングしたときに音が細ったりしますね。
手前がSilvertone、真ん中が初期、上段が60年代後期で、年代が新しくなるにつれて面取りされていないフラットな形状になります。
ポールピースを反対側から見ると、60年代後期にはスリットが入っていません。ひと手間省いていますね。
スプリットコイル・ミニハムバッカーを鑑賞
あまり見かけないピックアップなので、ぜひじっくりとご鑑賞ください。
セス・ラヴァーさんについては下記サイトをご参照ください。インタビューもあってわかりやすいです。
Seth Lover - Humbuckers and Other Lover innovations | Vintage Guitar magazine

ギブソンのヴィンテージ・ピックアップリング (50~70年代)
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2017.12.22
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