55年以降と大きく異なる54レスポールのテールピース

54年モデルのテールピースはフック部分が薄いのが特徴です。59スペックにたどり着くまでの短期間にギブソンが施した改良を見ていきます。

68年、59年、54年のテールピース

今回は54年モデルのテールピースを中心に見ていきましょう。この年代はレスポールが登場してブランコ・テールピースから仕様変更された初期ですので、55年以降のスペックと大きく異なります。まずページトップの画像は左から68年、59年、54年です。フック部分の形状は印象が似ていますが、よく見ると54年は薄くできているのがわかります。並べて比較してみましょう。

テールピースのフック部分の厚みの違い

厚みは59年とくらべると3~4割程度スリムですね。これに対応してスタッドの受け側も厚みが違います。

フック部分が薄い54年のテールピース

54年と59年のテールピースとスタッドの比較

54年のレスポールを所有しておられるコレクターの方は、このテールピースに泣かされた経験があるのではないでしょうか。イモネジとフックの部分に余裕がなく、弦を張ったまま調整しようとすると簡単にポッキリ折れてしまいます。で、リプレイスメントを探すのですが、これがめったに無い。しかもポストまで専用で長さもショート(60年代後期のショートスタッドよりもさらに短い長さ)ですから、後からアンカーごと変えようとしても、かなりの作業になります。

本体の表・裏を詳しく見ると、裏側のバリの部分などかなり丁寧なのがわかります。表側から見た印象はおおむね後年のモデルと共通しています。

丁寧にバリがとられたテールピース

表側から見た54年モデルのテールピース

こうしてみると、短期間にきちんとレスポールの弱点を克服しているギブソンの当時の開発陣の熱心さに触れることができます。現場力を大切にしているからこそ、こうしたバージョンアップを常に繰り返して究極の59スペックにたどり着いたのですね。

54年のテールピースとスタッドボルト

59年のテールピースとスタッドボルト

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