レアモデルのロッドカバー - トラスロッドカバーかく語りき 後編 その3

今回は珍しいトラスロッドカバーをご紹介。生産本数が極端に少ないレアなモデルや、探すとなかなか見つからないコレクター泣かせのロッドカバーを見ていきます。

レアものロッドカバー特集

VM(Vintage Maniacs)なんですか、これ。

FV(Fukazawa Vintage Club)前回 、君がずいぶん退屈そうだったから、今回は名誉挽回でレアもの特集だ。覚悟したまえ(笑)

VMしょっぱなから、すごいのが出てますが。

VMこれは北米の59 Reissue初期バージョンで、当時はよく見かけました。ニューヨークのショップオーダーや、Les Musicのバージョン、Jimmy Wallaceなど、咲き乱れましたね。

FV記念碑的なモデルだから印象深いよ。その中でもJimmyは、特にキルトトップのモデルにこだわっていたね。

若き日のJimmyと2ショット

VM「Fletless Wonder」って呼び名、本当にあったんですね。

FVこれは、あとから彫ったのかなあ。これまで1本しか見たことがない。

VMでも、わざわざ作るにしては、書いてある文字が「フレットレス・ワンダー」っていうのも…。

名前シリーズ

FV彼女の名前や自分のイニシャルを入れるのはよく見るね。あと、有名なスターの名前とか。そういった「あなたの好きな文字をロッドカバーに入れます」キャンペーンをやってたんだろうね。

VMPretty Maryさん、お会いしたい。

FVたしか、ピーターポール&マリーの曲で「パフ」ってのがあって、そのB面が「Pretty Mary」だったよ。

VMなんですか、そのB面って。

FVあ、そうか。君は平成生まれだから知らんのだな。昔はアルバムからヒット曲がシングルカットされると、そのレコードのB面に「カップリング」とか言って、適当な曲をアルバムから選んで入れてたんだ。そのB面がひょんな事からヒットしたりするんだけどね。

VM名前シリーズでいうと、次の2枚もそうですね。

*編集注釈:「適当な曲」ではなくて、ちゃんと選んでいたと思います。

FVばかもの! チェット・アトキンス先生は有名だろうが。

VM冗談ですよ、冗談。I’m just kiddingです。

FVお、イングリッシュじゃないか。最近TOEIC頑張っとるらしいね。

VM会社がうるさいんですよ、これからは英語だとかインターナショナルだとかって。

FVだって君、純粋な国内営業だろ?

VMそうですよ。しかも上司が英語しゃべってるの見たことも聞いたこともないっす。

FVほっとけばいいんじゃないの?

Heritageシリーズ

VM59 Reissueの直前になりますが、歴史的復刻の狼煙を挙げたLes Paulの金字塔、Heritageシリーズも、多くのオーナーがロッドカバーの文字を嫌ったのか、交換されてましたね。

FVコレクター泣かせのロッドカバーだよ。探すとなかなか見つからないけど、Heritage EliteやHeritage Standardのオーナーは、是が非でもオリジナルに戻したいだろうね。

VMここには無いですが、Heritage Eliteのロッドカバーなんて、ツチノコぐらい珍しい。

FVStandard 82もレアだよ。ナチュラルのキルトが美しい、マホガニーネックのレスポールだ。ザック・ワイルドが使っていたStandard 83ってのもあったね。どちらも80年代 だから2プライだ。

50年代と60年代の2プライの違い

VMそういえば、50年代の2プライと60年代の2プライの違いが今ひとつわからないんですけど。

FVおさらいの意味でも、ちょっと見ておこうか。

VMロールマークって、どんな感じなんですか?

FV出てるのもあるけど、あれは接合の不具合だろうね。普通は出ないよ。

VM下側のねじ穴がずれているのがヴィンテージの特長ですね。キュートです。

ハイフンの位置に注目! フルアコのロッドカバー

FV高級フルアコのJazz Guitarだって、ロッドカバーに当然のようにモデル名が刻まれていた。2枚とも70年代だね。

VMあ、今気づきましたがL-6Sじゃなくて「L6-S」なんですね。ハイフンの位置が「L-5」と違う。

FVほんとだ、知らなかった。当然、L-5SとかL-6Sだと思ってたよ。

VMこうした高級モデルのロッドカバーが単体でギターショーなどに出るのは、たぶんオーナーが自分のイニシャルとかを入れたロッドカバーに交換したからなんでしょうね。

FVなるほど、そういう考え方もあるね。

VM次も相当レアですよ。

生産本数が少ないレアモデルとセミアコ

FVCrestかあ。生産本数が極端に少ない、ブラジリアンローズウッドをトップに使ったセミアコっぽいギターだな。実際はセンターブロックがないんだが。生産本数は200本もないんじゃないか?

VMFVさんの大好きなエピフォンのCrestwood Deluxeとかとは違うモデルですよね。

FVCrestwood Deluxeはソリッドボディだ。

VMどうして2枚のBYRDLANDの間にJOHNNY SMITHが置いてあるんですか?

FV単に見た目でレイアウトを変えてみただけ。フルアコのロッドカバー、全種類揃えたいなあ。

VMコンテナのパーツを整理すれば出てくるんでしょ?

FVそういえば、ラリー・カールトン・モデルのES-335のロッドカバーには「Mr.335」って彫ってあった。どこかいっちゃって出てこないなあ。

VMそれで、出てきたのが347ですか…どんなコレクションしてるんだか。そもそも、ES-347ってどんなセミアコなんですか?

FVいずれ「俺スキ」で特集したいギターとしては、ES-347やGK-55、GGC-700あたりかな。

FVGK-55はダブルブロンドのダーティフィンガーズを搭載した、レスポール・スペシャルっぽいモデル。GGC-700は、いまだにSonex-180との違いがわからないんだよ。セットネックとデタッチャブルの違いかな?

VMそのあたりの特集って興味ないなあ…ロッドカバーだけで十分ですよ。

FVまあ、そんな事いわずに付き合ってよ(笑)

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トラスロッドカバーで比較するヴィンテージとヒスコレの違い
今回はトラスロッドカバーのシェイプについて、ヴィンテージとヒスコレを比較していきます。ヒスコレの穴位置はヴィンテージにくらべて若干上にあがっていますね。さらにホワイトのテーパー部分のスラントも、ヴィンテージでは斜めに落ちているのに対し、ヒスコレでは膨らむようにラウンドしています。

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