バーンズ・フライトギター - 飛行へのあこがれ
ギターデザインの世界で60年代後半からブームになったのが、直線を基調とした飛行機型のシェイプでした。ここに紹介するギブソン・フライングVとバーンズ(Burns)のフライトギター(Flyte)は、それぞれに戦闘機のイメージを残しながらも楽器としての愛着が湧く完成度を誇っています。
ギターデザインの世界で60年代後半からブームになったのが、直線を基調とした飛行機型のシェイプでした。超音速旅客機コンコルドがデザインされたのが1969年。工業デザインが機能美と同義語になった当時、ギターのデザイナー達もこぞってチャレンジしています。ここに紹介するギブソン・フライングVとバーンズ(Burns)のフライトギター(Flyte)は、それぞれに戦闘機のイメージを残しながらも楽器としての愛着が湧く完成度を誇っています。
ギブソンのフライングVは1950年代後期に登場し、67年に復刻されるまでは奇抜なデザインとして継子扱いされていた印象があります。しかし71年にメダリオンとして復刻して以来、マイケル・シェンカーやアンディ・パウエルなど、著名ギタリストに愛され今日に至る、寿命の長いギターシェイプです。
一方バーンズは、発売当初「成功したミュージシャンが、とりあえず手にするリッチなギター」的な、スペースオペラの雰囲気があふれています。
当時は、つのだひろさんや四人囃子の森園勝敏さんも実用機として所有されていました。シルバーカラーがなおさらコンコルドっぽいです。
今回はナチュラルカラーのフライングVとフライトギターをならべてみました。機械的な雰囲気よりも、丁寧に加工された木工部分の温かさが伝わってきますね。
とくにバーンズはピックアップも特別製で、フライトモデル専用です。
ブリッジとテールピースにはムスタングのようなダイナミック・テンションと記載されたプレートユニットが搭載されていますが、ご覧いただけるようにトレモロ機能はありません。
ピックアップも特許出願されており、ネーミングの「マッハ・ワン」が70年代っぽくてクールです。
ネックのバインディングに注目しましょう。もともとフライトギターはシルバーカラーがカタログモデルにもなっていますので、バインディングがアルミでできています。冬場に触れると「ひんやり」します。
このギターは1弦側のバインディングが樹脂製に交換されています。
ヘッドストックも何気なくコンコルドの機首をイメージさせます。個人的にはロゴとかほしいですね。
ネックはフェンダー同様のデタッチャブルで、メタルプレートで留められています。
いかがでしょう、先進的なデザインを誇るギブソンのフライングVにも、こうした英国製フォロワーが存在し、当時はノーブルなイメージとともにミュージシャンに愛されてきました。どことなくスタインバーガーやパーカーのデザインにも影響を与えていそうなインパクトですね。
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