やみくろES-335 - パーツが美しく見えるための原則
ES-335やレスポールなど、ギブソンのギターは多彩なジャンルに展開しつつも共通パーツが使われますが、ギターの個性は確立されています。50年前にデザインされ、今見てもまったく色あせない美しさを纏ったパーツを、ヴィンテージのES-335とともに見ていきます。
目次
テールピースもベルシェイプ・トラスロッドカバーも、レスポールとES-335で共通のパーツです。ギター本体のデザインや演奏される音楽シーンが大きく異なるのに、共通部品を使いながらも、ギター個々の全体イメージを崩さないギブソンらしさはすばらしいですね。
見飽きないノブ
ゴールドのノブもレスポールと共通です。何度見ても飽きない美しいカーブとゴールドフレーク。
スカート部分のガリガリ模様や数字部分のゴールドのかぶり方は、工業製品でありながら手作業が色濃く残る部分です。
パーツが美しく見える原則
ピックガードのレイヤーは均一ではなく、一番下が広くなっています。
B/W/B/Wの4層かと思いきや、一番下に薄い黒色の層があるため、裏から見るとブラックです。
切り口は随分とギザギザでです。ここを再現する場合、現代の高精度カッターだと綺麗になりすぎるため、古いマシンで削り出す必要があります。
ピックガードの取り付け方にも随分とアイデアが織り込まれています。
拡大すると、NASAの宇宙船に使われるパーツのような、無駄のない美しさにあふれています。そういえば、Appleの製品が美しいのは、垂直と直角に拘り抜いたデザインと、平面はきわめて平面に…という、ジョブズの製造工程に課した使命に他ならないのですが、ギブソンは50年も前から自然にパーツが美しく見えるための原則を実現していたのが凄いです。
なぜかチープなストラップボタン
案外見落としがちなのがストラップボタンではないでしょうか。一律「アルミ削り出し」と思いがちですが、335にはプラスチックのチープなパーツが搭載されているので早晩割れてしまいます。これはメロディーメーカーなどと同仕様ですが、なぜ高級ラインナップの335にこんな中途半端はパーツを搭載したのか理解できません。軽量化のためか、カラーを優先したのでしょうか。
ピックガードの下のサンバーストカラー
335のサンバーストは、赤を厚く吹いて濃淡を出しているのでしょう。退色すると、黒かった部分が赤くなっています。ピックガードの下はダークブラウンというよりはブラックですね。
キュートなスイッチチップ
最後のショットはヴィンテージマニアの憧れ、ブラウンチップです。このパーツこそ、単体ではそっけないのに、ギターに搭載された姿はため息がでるほどキュートです。
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