Coronadoっていうか、やみクロ - Pat.3,143,028A
それぞれの内容を知ってる人が意外に少ない、ヘッドストックのPat.ナンバー。今回は「Pat. 3,143,028A」がヘッドに記されたフェンダー社のホロウボディ・エレクトリックギター「Coronado Ⅱ」を「やみクロ(やみくもクローズアップ)」します。あわせて他のPat.ナンバーについてもご紹介。

1965年、フェンダー社はギブソンのセミアコースティックギター対抗として、同社初のホロウボディ・エレクトリックギター「Coronado」シリーズを発表しました。ギブソン社が「ストラトキャスターのデザインを踏襲してファイヤーバードを発売」した直後ですから、両者がともに相手を刺激しあった時代です。


リッケンバッカーのデザイナーであったロジャー・ロスメイセルによる「Coronado」の優雅で流れるようなボディラインは、従来のストラトやジャガー、ジャズマスター、テレキャスターと比して、フェンダー・ソリッドボディ・ファンにとってはたいそう異色だったようです。
ブルーメタリックがステージ映えする本器は、塗装、フレット、パーツを含めて非常にコンディションの良い個体といえます。1ピックアップが「Coronado Ⅰ」、2ピックアップモデルは「Coronado Ⅱ」です。

VM(Vintage Maniacs)無茶苦茶かっこいいギターですね。
FV(Fukazawa Vintage Club)全体のテイストとしては、Gibsonの「Trini Lopez」に酷似していると思わない? 同年代のギブソンと並べてみようか。

VMえ~、ここはひとつ、FVさんのコレクションからPelham BlueのTrini Lopez出してきて、並べてくださいよ~。
FVそんなの持ってないよ、持ってたら出すよ。
VMとか言っちゃって、持ってないのはPelham Blueだけでしょ?

FV ……(笑)
VMまあ、とりあえずっていうか、クローズアップで見ていくんですが、こうして撮影させていただけるのも貴重ですよね。オーナーの方に感謝です。

FVあっ…
VM気付きました?
FVいや、これは見なかったことにして、ペグを見てみよう。

VMクローム・メッキですね。この時代は、ニッケルよりも何倍も高額なメッキ方法だったそうですよ。
FVまあ、「錆びない」ってのがウリだから、みんなクローム・メッキにはびびったろうね。「Coronado」は、マーケットに登場したのが66年頃からだから。ニッケルのKluson 6連よりも、見た目はこっちが豪華だわ。

VMこうしてヘッドストックを見ると、Fenderも3:3にしちゃえばよかったのに。


FVまあ、そこは「フェンダリアン(というかどうか…)」にとって、1~3弦のテンションは、従来のが馴染んでるってことかな。
VM「Fキー」の3:3ってのも、マンドリンみたいで気持ち悪いかも。

FVピックアップとボディは外注だったって…。まあ、外観からしてピックアップはフェンダーっぽくない。デュアルモンドで有名な「ロウ社」製だ。

VMえ? ボディも外注だったんですか?※ ってことはネックだけですね、フェンダー製なのは。ボディはどこが作ってたんだろう。
※リットーミュージック刊『TELECASTER & Other Guitars』P91参照

FVボディも、バインディングを細かくみていくと難しいことがうまくできていない印象を受けるよ。

VMなんですか、その変な言い回し。「ボディ・バインディングは作りがわるくて剥がれてる」って言えばいいじゃないですか。
FVいやあ、そんな単純は話でもないけど、つい「Rickenbacker 350SH」モデルを想い出しちゃって、ノスタルジックにね…(笑)

VMうーん、割れてますね。この感じがむしろヴィンテージっぽくて味があるので、僕は好きです。


FVエイジド加工にプレミアムがつく昨今だから、「新品みたいなデッドミントの66年」よりも「ひと目でわかる使い込んだ66年」が良いってことか。
本機はフルアコに使われるような木製?ブロックとFロゴがかっこいい。(トレモロはオプション)




VMそれはそうと、タイトルなんですけど、なんで今更「Pat. 3,143,028A」なんですか?
FVヘッドストックのPat.ナンバーって、それぞれの内容を知ってる人、意外に少ないかなと思って。
VMあ、知ったかぶりして、おさらいしてくれるってことですね。やだなあ。
FV「やだなあ」はないだろ?(笑) じゃあ、VM君は知ってるの?
VM「アジャスタブルネック」ですよね。

FVいま、スマホで調べてるじゃん、ずるいなあ。
VMなんでもすぐに正確な情報が手に入るから、覚える必要ないもんね。って、僕のチャッピー※が言ってます。
FV「チャッピーに頼っていると知識欲が削がれますよ」って、私のGeminiが言ってたよ。
VMすぐ対抗したがるんだから…もうっ!
※対話型生成AI「ChatGPT」の愛称
| Pat. No. | 内容 |
|---|---|
| 2,960,900 | コンターボディ ボディの肘と裏のスラント部分 |
| 3,550,496 | マイクロ・ティルト・ネック 3点止めネックのジョイント角度調整機能 |
| 3,143,028A | アジャスタブル・ネック 下記画像とリンク参照 |
| 2,972,923 | フローティング・トレモロ ジャズマスター・ジャガーのトレモロ機構 |
| 2,741,146 | シンクロナイズド・トレモロ 言わずと知れたストラトのアームユニット |
| 3,241,418 | ダイナミック・トレモロ ムスタング専用のトレモロ・ユニット |
| 3,512,443 | ストリング・ベンダー |

FVこの「アジャスタブル・ネック・パテント」って、一見「ネックの反り修正機能のトラスロッド」と思いがちだけど、実は63年にPat出願されている、「厚さがネック基材に対して15%となるラウンド貼り指板による強度確保と製造工程の簡素化」なんだ。
VMスラブボードの方が、作るのは安くて簡単そうですけど、そうじゃないんですね。っていうことは、メイプルネックのヘッドストックには、これはないってことですか?

FV貼メイプルのネックにはあるんじゃない?(シンコーミュージック刊『ストラトキャスター・オーソリティ』P76〜77参照)

そんなこんなで、少々脱線気味に「Coronado Ⅱ」を見てきましたが、もう少しクローズアップの画像をお楽しみいただきましょう。





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