フカザワ・バレー・レストーラーの巻(後編) - SG Special改

前編に引き続き、改造SG Specialをレストレーション。ピックガード製作とPUキャビティ加工を中心に、MusiMagicの吉原さんの出張レストレーションの様子をお届けします。

今日のメニュー

吉原(MusiMagic)おはよ~ございま~す。道具持ってきましたよ。

FV(Fukazawa Vintage Club)今日は、よろしくお願いします。よっちゃんの「丸一日の出張レストレーション」、胸躍ります。

VM(Vintage Maniacs)っていうか、FVさんって思いのほか工作が下手ですよね。もうちょっと下準備をちゃんとしてくれないと、今日中に終わらないですよ。

FVあれっ? 呼んでない人が来てますが…(笑)

吉原すみません、彼、昨日から三沢の工房に泊まってて、無理矢理ついてきちゃったんですよ。

FVまあ、追い返すのも忍びないから居てもいいけど、邪魔しないでよ?

VM「ラスト・バレー・レストーラー」にちなんだ特集「フカザワ・バレー・レストーラーズ」の後編は、ピックガードの製作からです。

FVなんだよ、その「レストーラー“ズ”」ってのは。3人でチームみたいじゃないか。

吉原大目に見てやってください。彼、結構手伝ってくれて、役に立つんですよ。

FV今日のメニューを大まかに説明してくれ。

VMはい。こんな順番になります。

  1. ピックガード用テンプレートを、ちゃっちい下書きから作る
  2. PUキャビティのザグリを綺麗にする
  3. 5プライのピックガードを切り出す
  4. ペグを取り付ける
  5. 配線する

VMまあ、ざっと2時間くらいの作業ですから、午後は完成したギターの撮影がてら駒沢公園に散歩に行って、新しくできたビーガンレストランで、3人でランチって事ですね?

FV…って事じゃないよ(笑)

吉原夕方までかかると思いますよ。ランチはVMさんが買い出しに行くって事にしましょう。

VMはーい。

ピックガード用テンプレートを、ちゃっちい下書きから作る

吉原じゃあ始めます。FVさん手作りの「ちゃっちい」ピックガードの下書きを…。

FV「ちゃっちい」は、リフレインしなくて良いよ。よっちゃんまで、まったく。

VMで、それを厚手のボール紙に写します。

VMきちんとトレースしたアウトラインの外側5mmぐらいを残して、おおまかにノコで切るんです。こっちは僕がやっておきますので、次に進んでください。

吉原VMさん、手先が器用だからね。

FVうわ、かっこいい。もうできてるじゃん。

FVあとは、ネックジョイント部分の切れ込みだな。

吉原ピッタリにフィットしました。ピックガード、この色でもステージ映えしそうですよ。Cool。

VMえー、やっぱりSGのピックガードはブラック5プライですよ。

VM白は膨張色だから、ダブルカッタウェイのシャープさが損なわれる気がします。

FVカスタムの白ピックガードがかっこいいのは、3PUで面積が小さいからかもね。

VMレストーラーって、なんか男っぽくて武骨なのに知的でかっこいいです。

吉原そっちでビール飲みながらしゃべってないで、手伝ってくださいよ。PUとかネジの位置をきちんと決めないと削り出せないですから。

FVおー、ごめんごめん。次はPUキャビティの外周を綺麗に治すんだよな。

VM僕はお弁当の買い出しです。

PUキャビティのザグリを綺麗にする

FVしかし前のオーナーは、よくここまで手彫りで頑張ったねえ。

吉原本体塗装が比較的綺麗なコンディションなので、きちんとマスキングしてから、マシンで削ります。

FVこの切り屑の粉、ちゃんと取っておかないと。意外に使うんですよねえ。バカになったネジ穴補修とかで。便利便利。

FV うーん、やっぱりPUキャビティはこうでなくっちゃ。

吉原PUワイヤリングのガイドも掘っておきました。内側に貫通した通路がありますけど、ワイドピックガードだと、こっちのほうが取り外しがしやすいですから。キャビティの底面は揃えませんか?

FV前のオーナーが、エレベーションリングの部分を、かなり深掘りしてるだろ? これに合わせて底面を揃えると、ボディ厚がこの部分だけ随分と薄くなっちゃうから、厚みに関しては現状を極力残そうって思うんだけど…。

吉原賢明ですね(笑) 見た目も大事ですが、流石にヴィンテージなので、木部は極力残したいですよ。どうですか、見た感じ。

FVあ、もうお昼だ。2時間なんて、すぐだね。じゃあ、ピックガード切り出しの準備をしてランチにしよう。

5プライのピックガードを切り出す

VMこれは、手で粗削りしたところまでですね。

吉原次の工程は、ピックガードの削りカスが飛び散るので、屋内ではやり辛い作業です。まだ、こんなにテンプレートとの外周差がありますから、「はみちん部分」をルーターで削り落とします。

VM「はみちん」ですか…?

FVよっちゃん、これ全国版だから、言葉に気を付けてね(笑)

左右にスワイプ(ドラッグ)で画像スライド

FVへえ~、うまく削れるもんだねえ。道具そろえたいなあ。

吉原では、いよいよ終盤です。

ペグを取り付ける、配線する

VMこのペグは、Groverからクルーソンっぽいルックスにもどすには便利ですね。ワッシャーがもう少し小ぶりだと言うことないんですけど。

FVコンバージョンブッシュを使って、通常のクルーソンタイプに戻すのも一案だな。

吉原ピックガードにピックアップを載せて、ハードウェアも取り付けてみました。ほぼ完成です。

VMじゃあ、弦を張っちゃいますね。記念すべき「Vintage Maniavsフカザワバレー・レストーラー 第1弾 SG Standard/Special」完成!

吉原いかがでしたでしょうか。ヴィンテージギターの新しい楽しみ方「DIYレストレーション」。眠っているヴィンテージギターに生命を吹き込む使命感のような、想像以上に楽しい時間でした。熱い情熱と気の置けない仲間、そしてちょっとしたアイデアとゆったりした時間。「レストーラー」という呼称がポピュラーになるように、機会を見つけて第2段にもチャレンジしたいと思います。

FVあれ? 締めくくっちゃったの?

VMたのしかった~。あっというまに夕方だ(笑)

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