ヴィンテージ・ギブソンのピックアップ・デッドストックパーツ
ギブソンのデッドストックパーツの中から、ピックアップ、PUワイヤー、PUカバーを見ていきましょう。見過ごしがちなポイントですがリペアされたピックアップの中にはヴィンテージと違う仕様のパーツが取り付けられているものも多く見られます。
目次
前回の記事(Dead Stockという遺物 - アメリカのヴィンテージ・ギターショー)で紹介したコンテナに入っていたデッドストックパーツの中から、ダブルスタンドワイヤー、ピックアップ、ピックアップカバーを見ていきましょう。
ダブルスタンドワイヤー
ギブソンのヴィンテージに使用されているピックアップのワイヤーは、周囲のスタンドが2本構成で、中の芯は7本構成です。
画像でわかるように、工場で使用されるときには、すでに「用途によって、1インチステップで長さの違うワイヤーをあらかじめ準備していた」ということです。ピックアップに取り付ける時も、レスポ ールに配線するときも、この中から適切な長さのものが選ばれ、パーツピッキングエリアから製造工程に供給されていました。すでに両端がしっかりとハンダで処理されているのでバラバラに毛羽立ちません。
トリプルスタンドと比較してみましょう。
見過ごしがちなポイントですが、リペアされたピックアップの中にはダブルスタンドワイヤーをつけていないものも多く見られます。デッドストックのピックアップと比較してみると同じワイヤーが使用されているのがわかります。
ちなみに2つのピックアップをくらべると右がオリジナルのダブルスタンド、左が交換されたトリプルスタンドです。
ピックアップ
搭載された形跡のない、バージンのピックアップです。フィリップスクリューでPatナンバーデカールですから70年前後でしょう。
このスペックのピックアップは全部で144(1ダース × 12)個入っていました。
デカールも綺麗ですしワイヤーのエンドもバージンです。
すでにリペアマン(Joe Siedmanと書かれています)からのオーダーが入っていたパーツのようで、出荷前だったのでしょうか、送り状もそのまま残っています。
ストップテールピースやES-345用ロータリースイッチなどが注文されていて、かなり手広いリペアマンだったことが推察されます。
ピックアップカバー
コンテナ1101に入っていたパーツで最も数が多かったのはゴールドのピックアップカバーです。リペアやリプレイスメントのオーダーが多かったのか、単にカスタムが売れなかったから残ったのか・・・。当時のゴールドメッキは剥げやすいのが特徴です。
保管状態が適当だったので、表面に曇りと小傷があります。まあ、気にならない程度ですが(笑)このカバーが未使用なのは、裏側のハンダが取り付けられる部分を参照するとわかります。
ちなみに、中には不良品も混じっていました。このカバーは隅っこに穴が開いています。メッキ工程でしょうか、明らかにリジェクトですね。
いかがでしたでしょうか。次回はベース用フェンス、ストラップピン、フレットをご紹介いたします。
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