コントロールノブ・ポインターの不思議な特徴

コントロールノブにセットされているポインターはあまり注目されていないパーツですが、50年代のヴィンテージには不思議な特徴があります。今回は2010年のヒスコレのポインターとヴィンテージを比較してみます。

小さなパーツで見落としがちなのが、コントロールノブにセットされているポインターです。サーキットをメンテナンスされているギターでは、つけ忘れたり紛失したりしているものがあります。あまり注目されていないパーツですが、良く見ると50年代のポインターには特筆すべき特徴があり、60年代やリイシューには、あまり似たものがありません。

今回はアフターマーケットの中でもヴィンテージに似ているといわれている、2010年のヒスコレのポインターとヴィンテージを比較してみます。次の写真は、奥がヒスコレ、手前がヴィンテージです。

ポインターの突起部分を正面から見ると、ヴィンテージ(写真右)は丸みを帯びながらも尖ったアウトラインが印象的です。またこの部分はヒスコレの方が長いのがわかります。

では単体でヴィンテージの天面、サイド、正面を順に見てみましょう。

丁寧に面取りとバフ掛けされているのがわかりますね。素材も異なります。ヴィンテージはブリキと呼ばれる鉄板で、メッキされていない打ち抜かれたままの状態で最終仕上げが施されています。そのため他のニッケルメッキが施されたテールピースやピックアップカバーとはまったく違った錆び方をします。

そして最も顕著な特徴は、打ち抜きのセンターがずれている点です。左右非対称なのがヴィンテージの特徴です。

小さなパーツでも細部にこだわるギブソンが、なぜポインターに関しては、センターがずれていてメッキも施していないのか…何か不思議な感じのするパーツです。

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