コリーナ・フライングVのレイズドロゴから感じるカラマズー工場の息吹
1982年はヴィンテージ・ギブソンのファンにとって忘れられない年になりました。金色に輝く美しいコリーナ材を使った、リイシュー・フライングV(Heritage Korina)が復刻したのです。今回はコリーナVのレイズドロゴに注目します。
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1982年はヴィンテージ・ギブソンのファンにとって忘れられない年になりました。金色に輝く美しいコリーナ材を使った、リイシュー・フライングV(Heritage Korina)が復刻したのです。もちろんカラマズー工場製です。この年は世界で初めてCDが発売になった年でもありますから、ロックファンにとっては「音楽がデジタルに移行し、ギブソンは50年代を回顧する」少しアイロニカルなターニングポイントですね。
レスポールの復刻でヴィンテージの手ごたえをつかんだギブソンにとってコリーナのフライングVは、当時のNAMMショーで話題を独占し業績右肩上がりの回復を予測させる、まさに「フライングアロー」でした。モダーンとエクスプローラーが同時発売されコリーナトリオと呼ばれていたので、ご記憶のファンも多いと思います。広告誌面やセールスフライヤーをみても力の入れようが伺えます。
細かな部分をチェックすると50年代のモデルとは異なる部分が多いので、復元性という面では90年代に登場するヒスコレに譲りますが、とにかく当時はコリーナという材が嬉しく、49万円という高額にもかかわらず、あっという間に売り切れました。ちなみに当時と現在ではサラリーマンの初任給が6倍くらい違うとすると、なんと300万円のギターですよ(笑)
まず目を引く違いはネックジョイントです。オリジナルはボディが伸びて覆いかぶさった感じになっていますから、この段差は間違いですね。ヒスコレでは、しっかり改善されていました。
サイドのラバーやジャックプレート、ピックガードなどは、印象として合格でしょう。
ノブは共通性のないパーツなので、がんばって復刻したと思います。
ABR-1ブリッジも久々の復活ですからポイントが高いです。
コリーナ・フライングVのレイズドロゴ
ここまでは普通の解説でしたが、今回筆者も改めて気がついた一番Vintage Maniacsっぽい細部の紹介をしてみます。それは、ずばり「レイズドロゴ」です。
ヒスコレのロゴは若干小さくなっているので、82年のロゴを「ヴィンテージよりも大きい」と思っている方も多いと思います。私もそう感じていました。
裏から見ると、ずばり82と59は同じ金型から作られていることがわかります。カラマズーの工場に当時のモールドがしっかりと残っていたのですね。メッキの印象が若干異なりますが20年の時を経て同じパーツを作れるギブソン、すごいことです。
ヘッドストックに穴があいていて、そこにロゴの足を差し込んで固定しています。とくに接着剤はつけていないようで、うまく持ち上げると取り外すこともできました。
ロゴを横から見ると、足の部分が突き出ているのがわかりますね。
ロゴを外した部分にたまっている埃ですが、ヴィンテージには大事な要素ですので本当はこれを拭ってはいけません(笑)ヴィンテージギターをあまり綺麗に掃除すると、なんか匂いや雰囲気までクリーンになる印象です。
いかがでしたか?こんな細かな部分にも50年代と共通するカラマズー工場の息吹を感じて、またさらに82年のコリーナトリオを愛してしまうのです。
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