カタログで見るチェット・アトキンス・モデル

チェット・アトキンスが最初に登場したときのギブソンのカラーカタログをご紹介。前期と後期で変わるヘッドストックや選べるオプションの他、Orville by Gibsonブランドとの違いなどを見ていきます。

Gibson Chet Atkinsのカタログ

チェット・アトキンスが最初に登場したときのカラーカタログが出てきたので、前回(ちょっとチェット・アトキンス - Gibson Chet Atkins CE)の続編として詳しく見てみましょう。

斬新なデザインのマップギターが表紙です。このギターは主に店頭プロモーションを目的としたギターで、ステージで使っているのはリック・ニールセン以外には記憶にないような気がします。

チェット・アトキンスのページは豪華に見開きです。

カラーページにナチュラルとブラックの2本が掲載されています。クワガタ・ヘッドストックが目を惹きますね。今回カタログを熟読していて初めて気がついたのですが、チェット・アトキンスには2インチナット幅のオプションモデルが用意されていて、なんとエボニー・フィンガーボードとなっています。

通常モデルのフィンガーボードがローズウッドですから、音色でもクラシック・スペックをラインナップして本気度をアピールしたのでしょうね。カタログ裏表紙にもチェット・アトキンスがエンドーサーとしてしっかり掲出されています。

販売店用のリーフレット

そして、このページの抜き刷りリーフレットです。

コリーナ・フライングVのリーフレット同様、右側が折りたたんであり、ディーラー向けのメモ用の余白があります。リーフレットが顧客用でなく販売店用であったため、左下に「このページのポスターサイズをご希望の場合は、2ドルをNashville Gibsonまで送金してください」的なことが書かれています。

Gibsonの前期・後期モデルとOrville by Gibsonブランド

さて当時センセーショナルに登場したチェット・アトキンス・モデルは、その後マイナーチェンジを受けつつギブソンの大ヒットモデルとなったわけですが、カタログで前期モデルと後期モデルを比較しながらOrvilleブランドも併せて見てみましょう。

一部のマニアの方はご存知だと思いますが、これはB.C.Richなどでも贅沢に配布された短冊カタログです。モデル毎に裏表で1枚になっていて、コレクションとしてはうれしいのですが白黒でした。ここにチェット・アトキンス・モデルが掲載されていますが、ネック幅は1種類だけ(2インチの記載はなし)でカラーもアンティーク・ナチュラルだけです。

後期になるとヘッドストックの形状が変更されます。

だいぶ印象が変わりましたね。

大ヒットモデルですから、当然廉価版のOrville by Gibsonでも企画販売されました。

ピックアップはなぜか「国産品」と記載があります。Orville by Gibsonのピックアップは漠然とすべてが「Gibson USA」だと勘違いしていました…。

 次に読むなら

ちょっとチェット・アトキンス - Gibson Chet Atkins CE
チェット・アトキンスって、グレッチのテネシアンとかカントリージェントルマンを使っている印象が強いけど、実際は79年ごろにエンドースメントを解消してるんだよね。今回紹介するチェット・アトキンス・モデルは、80年代のギブソン・ギターの開発の中で、一番ミュージックシーンに貢献した楽器だと私は思っているよ。

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