ギブソンのトラスロッドカバー

ギブソンのトラスロッドカバーは「ベルシェイプ」とよばれる釣鐘型の形状を基本にしつつも、時代ごとに少しずつ生産スペックが変化しているため、ギターの大まかな年式を比較するのにわかりやすいパーツでもあります。

ギブソンのトラスロッドカバー

ギブソンのトラスロッドカバーは「ベルシェイプ」とよばれる釣鐘型の形状を基本にしつつも、時代ごとに少しずつ生産スペックが変化しているため、ギターの大まかな年式を比較するのにわかりやすいパーツでもあります。52年に登場し60年前半まで継続する 2プライのタイプは後年の成型2プライとは異なり、板から削り出しながらエッジに斜めのスロープを切削する複雑な工程で生産されており、ヒストリックコレクション登場まではレプリカパーツの中でも比較的再現が困難なアイテムでした。

トラスロッドカバーの裏側

Vintage Maniacsをご覧のマニアの方たちはご存知かと思いますが、2000年に入ると欧州から良質のレプリカが登場し、ロールマークやベント(反り)まで再現されるようになってきましたから、以前のようにハンドメイド削り出し2プライを手間隙かけて加工する必要がなくなりました。CUSTOMやLes Paulのロゴがエングレイヴされたバージョンも復刻されているので、ヘッドストックを美しく演出するドレスアップのアイテムとしては手軽かつ重要なポイントでしょう。今回はヴィンテージの「プレーン」「Les Paul」「Stereo」の3種類をクローズアップで見ていきます。

ベルシェイプのトラスロッドカバー

左側の「Les Paul」は62年のSG LP Standardに搭載されていたものです。基本スペックは同じながらも、手のかかるヒゲ文字のエングレイヴが美しいです。切削後のバリ取りが丁寧で、切り立ったエッジがなく手が込んでいます。

SGレスポール・スタンダード用のトラスロッドカバー

中央の「プレーン」は黒い部分のエッジが立っていない59年後期以降のスペックで、63年頃のSGスペシャルにも搭載されています。52~59年までのものに拘る方もおられますが、概ね裸眼では認識していないくらい細かな部分のようです。

59年後期以降のトラスロッドカバー

黒い部分のエッジが立っていない

「STEREO」はセミアコースティックギターに搭載されたステレオシステムを示すアルファベットが縦に並んでいます。

セミアコ用のトラスロッドカバー

この他にもCUSTOMやDeluxe、Standardをはじめとして、特注モデルやアーティストモデルの識別などいろいろな文字が加えられ、バージョンは優に200を超えます。筆者はロッドカバーの収集を始めて40年になりますが、改造やリペアで放出されるピックアップ、ブリッジ、ペグなどと比較しても入手しづらいパーツで、1年に多くても3~4枚手に入れば良い方です。アメリカ本土や国内のリペアマンと根気良く粘り強く連絡をとりながら、損壊したギターやリペアされた楽器の余りとして残されたパーツを購入したり、ギターショーで顔見知りが声をかけてくれたり。インターネットが普及してからは画像の確認も楽になりましたから、オーナーの名前やショップ名がエングレイヴされたものなど、引き続き探し続けたいと思っています。

余談になりますが、個人的に一番文字デザインが気に入っているのは60年代の3プライ・カスタムメイド・プレート、と書くと意外に思われるかもしれませんね。

60年代の3プライ・カスタムメイド・プレート

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この「アジャスタブル・ネック・パテント」って、一見「ネックの反り修正機能のトラスロッド」と思いがちだけど、実は63年にPat出願されている、「厚さがネック基材に対して15%となるラウンド貼り指板による強度確保と製造工程の簡素化」なんだ

Coronadoっていうか、やみクロ - Pat.3,143,028A

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