ブッシュ・ブッシュ・ブッシュ

60年代のメロディメーカーやES-125などの低価格帯のギターによく搭載されたハトメブッシュ。年代別にいくつかのタイプがありますが、今回は60年代の4種類のブッシュをご紹介します。

VM (Vintage Maniacs)久しぶりに、パーツの新ネタですね。ハトメですか?

FV (Fukazawa Vintage Club)ハトメ式のブッシュには、年代別に何種類かあるんだけど、なんとなく区別がつきにくいだろ? 今回は60年代の4種類を紹介するよ。

VMあ、これは70年代のSG Specialですよね? 以前紹介したときに、「ブッシュがチープだなあ…」って思ったので、覚えてますよ。

FV60年代のメロディメーカーとかES-125などの、比較的低価格帯のギターによく搭載された「ハトメブッシュ」だけど、70年代にはほとんど使われなくなった。SG Specialは特例だな。

VM弦交換している合間にポロっと落ちて、どっか行っちゃうんですよね。失くすとなかなか別売がなくて。

FV最近は、東急ハンズでも流用できるサイズのハトメが、レザークラフトのコーナーに置いてあったりするから、探してみると良いよ。

VMこまかなパーツですけれど、これにも「ニッケル」や「クローム」の違いがあるんですか?

FV順番に見ていこう。

VMどれも同じに見えますが…。

FVよく見てよ(笑) 左と真ん中はニッケルで同じだけど、右はちょっと小ぶりだろ?

FV年代順に見ていこう。まず60年代初期が小ぶりだ。

FV次は60年代中期のニッケル。ひとまわり大きくなっただろ?

FVこれも同じ年代だね。

VM50年代のアコギについている、もっと小ぶりなのもありますよね? メッキされていない、素材剥き出しの。

FVこんな感じの素材だろ?

VMそうです、これの輪っかがもうちょっと小さい感じの。

FVニッケルだと、このセットだな。

FVハトメ型のブッシュは、タイトなポスト穴があけられているので、このままだと普通の削り出しタイプのブッシュは入らない。

VMギブソンらしい面倒くさい事していますね。ブッシュの原価なんて、いくらも変わらないでしょ? 全部のモデルでパーツを共通にしたほうが、生産効率高いし部品在庫も減るし。

FVまあ、君のほうが合理的な考え方だね。一方で、店頭では店員がお客さんに価格差の説明をする際、「見た目が違う」というのは非常に大切なことだと思うよ。

VM僕は、ヘッドのペグ穴は小さいほうが嬉しいです(笑)

FVもともとペグ自体が3連なので、一個壊れても全取り換え…って考えると、廉価バージョンの方が維持費かかるのかなあ…。

VM今回は、FVさんの蘊蓄四方山話とかが無くってつまらないんですけど、とりあえず総括しておいてください。

FVえ~と、まだ紹介していなかったのがクロームのブッシュだね。65年くらいから登場するんだけど三連クルーソンのポストはメッキしていないから、錆びると随分とブッシュとポストの色合いに差が出てくる。

VMならべてみると足の長さもさまざまですね。

FV一番左は、輪っかの大きさが比較できるように、大きいブッシュに小さいのを重ねただけだよ。

VMややこしい事しないでくださいよ。でも、こうすると輪っかの内径も外径も違うというのがわかります。良い紹介方法です。

FV褒めてもらえてうれしいです(笑)

VM次回は50年代の紹介もお願いします。ところでこれ、なんですか?

FVJ-160Eの記事で紹介した、ブッシュの輪っか。めずらしいだろ?

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ペグブッシュ - 手間と時間をかけた工業デザインの美しさ
ペグをしっかりとギターのヘッドストックにホールドするパーツがブッシュです。ヴィンテージのブッシュはモノづくりの観点からみると、なぜこんなにも手間と時間をかけたのだろうと不思議に思うほど多くの工程を経て完成されています。

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