ゴールドトップ、永遠(とわ)へ 第二話 「レストアの軌跡」

前回、25年ぶりに再会したスノーウィー・ホワイトのレスポール。今回は3か月間に及ぶレストアの軌跡をご紹介します。

VM (Vintage Maniacs)右は「ゴールドトップ、永遠(とわ)へ 第一話 「再会の日」」で、25年ぶりに再会したスノーウィー・ホワイトのレスポールですね。

FV (Fukazwa Vintage Club)今回は、3か月間に及ぶレストアの軌跡だ。

VMで、左のバーストは? なんか、ごっついですけど。オーラあるし。興奮するなあ~。

FVまあまあ、抑えて(笑) 今日のところはゴールドトップのレストアだから、そっちに集中してね。

VMいや、気になりましたよ。読者の皆さんを代表して、気になります。もうちょっと見せてください。

FV仕方ないなあ…じゃあ、これでいい?

VMうひゃ~、垂涎ものですね。

FVこのレモンバーストは、おいおい詳しく紹介するよ。

VMってことは、いろいろ物語がありそうですね。

FVまあね。で、ゴールドトップなんだけど。

VM随分と落ち着いた印象で完成しましたね。スノーウィーっぽくないですけど、これは王道でかっちりしていて、みんな好きだと思いますよ。

FVそうだね、ブラックパーツは個人の好みが分かれるから。あと、ピックアップもダブルブロンドにした。

VMもともとは、こんな感じでした。

FVで、パーツを準備したんだけど、それぞれギターにマッチしたエイジド加工もお願いして…。

VMMさんに今回お願いしたレストレーション・メニューとしては、どんな感じをイメージしていたんですか?

FVまず、キャビティ内のシルバー塗料除去。

VMMさん、よくこんな面倒な作業を受けてくれますね。

FVつぎに、ポジションマークの入れ替え。これはヴィンテージから外した個体に交換する。

VMMさん、よくこんな面倒な依頼、受けてくれますね。

FVそして、指板のクボミ加工。

VMMさん、かえすがえすも、よくこんな面倒なオーダー、受けてくれますねえ。

FV何度も言わないでよ、責められてるみたいじゃない(笑) いつも感謝しているよ、心から。その技術、マジシャンかと思うことあるしね。

VMキャビティ塗料の除去は、時間のかかる手作業ですね。これは根気いります。

FVどうだい? 見違えるように綺麗に仕上がって、元通りになってるだろ?

VM自分がやったような自慢口調ですけど、実際はMさんが全部やってくれているんですよね?

FVうーむ、そう言われると身もふたもない。

FV今回の個体は、シルバー塗料の下はオリジナルのラッカーが手つかずで残っていたので、しっかりフルオリだよ。

VMトグルスイッチのキャビティなんか、手が入らないですよ、小さくて。

FVあと、54をABR-1にコンバージョンするときに、かならず「スタッド・アンカーを埋めた」部分が目立つじゃない?

VMこれは、綺麗に埋めていますね。ゴールドの塗装も最大限残っていますし。

ここからは、作業をスライドショーで見ていただきましょう。

左右にスワイプ(ドラッグ)で画像スライド

VM気が遠くなりますね。細かな色合わせとか、クラックとか。

FVみんな言ってるけど、ヴィンテージのレストレーションって絵画の修復と似ていて、やっぱり当時の工場と同じ工程を想像しながら再現しないと。想像力の世界になってくるねえ。

パーツもひとつひとつ、搭載した位置と整合性あるクラックやヨゴレをつけていきます。
今回は、岩崎さん時代のArea59(DMC Version Ⅲ)を使っています。

VMこのあと、第三話ではポジションマークの入れ替えと、完成機のクローズアップですね。

 次に読むなら

ゴールドトップ、永遠(とわ)へ 第一話 「再会の日」
「ありがとう。ほんとにありがとう」この言葉が高山の友人に届くように祈った。ギターが紡ぐ友人関係が過去・現在・永遠(とわ)へと続く、一直線の棒のように、今日は特別な日なのである。

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