音の本棚 - I know Korina (愛のコリーナ)
今回の音の本棚は『Flying V, Explorer, Firebird: An Odd-Shaped History of Gibson's Weird Electric Guitars』をご紹介。変形ギターを中心とした写真集の中で「コリーナの美しさ」が目を惹きます。
目次
『Flying V, Explorer, Firebird: An Odd-Shaped History of Gibson’s Weird Electric Guitars』
VM (Vintage Maniacs)タイトルの意味がわかりませんね。
FV (Fukazawa Vintage Club)あれ? 大島渚監督の映画、知らない?
VMクインシー・ジョーンズ先生がカバーしたディスコ調のヒット曲、「Ai No Corrida」は知ってますよ。
FVその曲は、1976年の日仏合作映画『愛のコリーダ(Wikipedia)』から命名されたらしい。
VMでも、ギターのコリーナとは関係ないっすよね?
FVうん、まあ関係ないけど、FINE WOODの森芳樹さんが以前デジマートのコラムで、「貯木場からリンバウッドの丸太を…」という記事を書いておられて。
VMまだ話が見えませんが。
FVその続編の記事で、「愛のコリーナ楽器を探す」ってのがあるんだよ。
VMこれですね?
リンバこまっちゃう? 愛のコリーナ楽器をデジマートで探すの巻|連載コラム|木材〜トーンウッドの知られざる世界【デジマート・マガジン】
FVで、「コリーナ」って読んだ途端、本棚にあったこの写真集を無性に想い出してね。
FVこの写真集、10年以上前に、24.99ドルもしてるぞ。
VMというか、なんで30ドルにしなかったんですかね。
FVまあまあ、良くあることだ。ギブソンのギターでも298,000円(税込)とか。
VMそれって税別だと270,909.1円ですが、どうなんですかね。
FV例えの話だよ、たとえの(笑)
VMこの写真集は2011年発売です。著者のTony Baconさんって、ギター関係の書籍をたくさん出してますよね。「The Ultimate Guitar Book」とか。
FV変形ギターを中心に集めてあるんだけど、ここで目を惹くのは「コリーナの美しさ」。
VM勢いあまって、周りにギターをならべてありますが、それも解説してくださいよ。
FVVintage Maniacsの読者の方々には、あらためて説明することではないけれど、とりあえずフライングVだな。
VM写真上段のVは、ピックガードが3PLYなのが気になりますね。Gibsonじゃないでしょ?
FV(笑)よく見てるなあ~。変なところ気にしないでよ。これ、Gibson製じゃないけど、すごく良質なコリーナ材を使って丁寧に作られているので、気に入ってる。
ファイヤーバード
VMしょっぱなはファイヤーバードですか。
FVコリーナのエクスプローラーに比べると、3年後に発売された「ファイヤーバード」は、何倍も手の込んだスペックで生産工程も複雑だな。ヴィンテージ市場では、もっと評価されても良いモデルだけど、いまはまだ手が届く価格帯だと思うよ。
VM写真の実機は「Japan Limited」のロングヴァイブローラ搭載機種で、2016年に突然前触れなく発売され、あっという間に売り切れました。
FV「俺スキ - ファイヤーバード・メダリオン・チューンナップ」で紹介しているモデルだ。
VM写真集にはカラーチャートが2種類写真入りで紹介されていますね。
俺スキ - ファイヤーバード・メダリオン・チューンナップ
2020.6.12
FV「ファイヤーバードのカスタム・カラーチャート」で紹介したチャートはノンリバ用だけど、もうひとつ古い初期のリバース用も掲載されていて貴重な資料だよ。
ファイヤーバードのカスタム・カラーチャート
2017.6.18
VMいろんな所にお宝画像がちょこちょこ掲載されていますが、ファイヤーバードだけを追求した「絢爛豪華ハードカバーシリアルナンバー入り写真集」とか、誰か出版してくれませんかねえ。
FV読者の方々に声をかけて、ヴィンテージ・ファイヤーバードを持ち寄って、目黒のEASEで撮影会とかも楽しそうだ。
VMあ、それいいですね。企画しましょうよ。
ギター撮影後記 2018
2019.5.3
エクスプローラー
FVえっと、エクスプローラーか、次は。
VM気になることが2つありまーす。
FVなに?
VM実機のピックガードが3PLYです。ちょっと見た感じがヴィンテージっぽくないですね。それと、サンダーボルト。
FVピックガードは、おいおい4PLYに交換するとして、こっちに注目してくれよ。リック・デリンジャーのスプリットヘッド・エクスプローラー。
VMはじめて大写しで見ましたけど、ロッドカバーとPGのミニスイッチを戻したいですね。
FV最近、君も目の付け所が偏屈になってきたなあ。素直に「すげー、かっこいー」って言えばいいじゃん。
VM誰かさんに似てきたんっすよ(笑)
モダーン
VMモダーンは永遠の憧れっすね、コリーナ・ファンの。
FVこのページを見てると、ギブソンのチャレンジ精神を褒めるべきか、呆れるべきか。
VMカーバスとかフューチュラとか呼ばれている缶切りみたいなシェイプのギター、最近は中古でも見かけないレアモデルです。
FVこの本には、モダーン仲間のRonn (Wood)さんも協力していて、巻末にSpecial Thanksが掲載されていた。
モダンなデザインへの憧れ - Moderne 総括(1)
2019.8.23
VMこの「あとがき」というか、なんでひっくり返ってるんですか?
FVちょっとわかんないな…英文が。「ボディ・デザインから見れば、Flying Vという名称なら、ギターを天地逆さまにしないと」っていう意味かなあ?
一番フライングVが似合う人
VM最後に、僕が思う「一番フライングVが似合う人」を、あげておきます。
FVあ、それ同感。この写真はクレジットが無いけれど「Keith Morris」氏の代表的な作品だね。
VMさすが、職業柄よくご存じで。
FVお仕事でお会いした時(1998年)には、ロックよりもスキューバダイビングに没頭してた。ちょっと横道にそれるけど、マーク・ボランの選ぶギターはVといいZemaitisといいLP Custom、SG Jr(HB改)といい、すべてがグラムロックの匂いプンプンで、ロンドンって感じなんだよね。
VM鋤田正義先生の写真集『T.Rex 1972 Sukita』を開くと、遠く離れた島国「England」の華やかな衣装につつまれた、マーク(ボラン)のギブソンが、まぶしく輝いていますね。
追記
そういえば『The Guitar 2』に載っていたリック・デリンジャーのエクスプローラーにはビグスビーのスクリュー跡が4個残っていて、当時すごく「残念だなあ…」と感じたのだけど……。
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