60年代後期のアルミテールピース - ディスコンから復刻へ
ギブソンのヴィンテージ・テールピースの素材がアルミで軽量という事実が一般に認識され始めたのは1980年代後半になります。それまではメッキがクロームかニッケルかという話題はいろいろな場面で出てきますが「59のテールピースは軽い」という事実が公に語られることはあまりありませんでした。
ギブソンのヴィンテージ・テールピースの素材がアルミで軽量という事実が一般に認識され始めたのは1980年代後半になります。それまではメッキがクロームかニッケルかという話題はいろいろな場面で出てきますが「59のテールピースは軽い」という事実が公に語られることはあまりありませんでした。ですからギブソン社がヒスコレのテールピースをアルミ製に変更するまでの間は、Made in Japanの一部のメーカーが気を利かせてオリジナルで作ったりする程度だったのです。
細かく振り返ると、ギブソンが50年代のアルミテールピースの金型を償却し新たな金型に移行した初期には、引き続きアルミのテールピースが継続されていたのです。時期的には1968~1971年ごろまでです。それ以降は重量のある金属製になりますので大変短い期間になります。搭載されたモデルは主にレスポールの68ゴールドトップ、69-71デラックス、68-71カスタムなどです。
今回はニッケル、クローム、ゴールドそれぞれの60年代後期のアルミテールピースをクローズアップします。次の写真は手前から68ゴールドトップ、71ゴールドトップ、68カスタムのテールピースです。
裏側を見ると50年代とはまったく異なる金型であることがわかります。
フックの部分を見てみましょう。59年モデルに比べると面取りが少なく角ばった印象があります。
68年と71年では弦を通す向きが逆です。次の写真の下側、68年のテールピースのボディエンド側にはボールエンド用の窪みがあります。
ネック側は同じ形状です。
ちょっとめずらしいのは、71年のリイシュー・ゴールドトップにはクロームパーツとニッケルパーツの2種類のモデルがあるということです。この2本は同じ年式のアルミテールピースですが左がクロームメッキ、右がニッケルメッキです。
さらにめずらしい“工場の不良品”をご紹介しましょう。決してギターに搭載されることのなかった弦通し穴の不良品です。上段のテールピースは穴あけがうまくいかずリジェクトされたようで、当時のままレフトオーバーパーツのボックスから出てきました。
ゴールドのテールピースはメッキがパラパラと剥げ落ちてアルミが露出するのが特徴です。一番左がメッキの剥げた68年、残り2つはデッドストックの68年で、3つとも同じテールピースとは思えません。
ギブソンは71年にアルミテールピースをディスコンしてから2000年代に復刻するまで30年もの時間を費やすことになります。今では常識なヒスコレのアルミテールピースも、コレクターやマニアからの要望があって実現したのですね。
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