フライングVのルックス (後編) - ピックガードの違和感の補正

フライングVのヴィンテージ・ピックガードは、大きく分けると4種類あります。それぞれの細かいスペック紹介とともに、新しく作ったレプリカとオリジナルの比較や、ロッドカバーとの色合わせ作業などもご紹介します。

Flying V用ヴィンテージ・ピックガードの種類

VM (Vintage Maniacs)フライングVのヴィンテージ・ピックガードって、そもそも何種類あるんですか?

FV (Fukazawa Vintage Club)大きく分けると4種類だと思うよ。

  • Ver.1:周囲が小さくて、ネジ穴が割れやすい最初期、シャープR(4PLY)
  • Ver.2:周囲が大きくなって、ABR-1用小さい穴、シャープR(4PLY)
  • Ver.3:Ver.2のABR-1用大きい穴、シャープR(4PLY)
  • Ver.4:Ver.3の緩やかR(4PLY)

VM写真のピックガードは全部「カスタムメイド」の3PLYですよね。シャープR時代の復刻。

FV裏から見ると、ホワイトレイヤーで一目瞭然だけど、表からだとシェイプといい、カラーリングといい、かなりオリジナルに迫ってるだろ?

VMFVさんは、いっとき「4PLYがなくなるぞ、えらいこっちゃ」って危機感募らせてましたから。

FVまあ、それでもだいたい2010年前後からは、2mmの4PLYは入手しにくくなったね。普通に北米のピックガードショップ(WD)にオーダーすると、3PLYだった。

VMこれらにも、かなりお金と時間をかけておられて…(笑)

FVVマニアの人達は、多かれ少なかれピックガードに拘りをもってるはずさ。強度優先で、予備に3PLY(3mm)をオーダーしておいて、オリジナルは割れないように保管しておく。

VMで、FVさんは保管してたピックガードが、どっかいっちゃって、いまだにガレージから出てこないんですよね?

FV……。

ラウンドRの4PLYと3PLYの比較。左の3PLYは、太いブラックレイヤーで全体の輪郭がはっきり見える。

ロッドカバーとピックガードの色合わせ

VMフライングVって、ピックガードを交換すると、ロッドカバーの日焼け具合とマッチしない事があって、ちんちくりんになっちゃうことありませんか?

FVあるある。普通にエイジドしても色が合わないから、よほど「感覚の良い人」にエイジドしてもらわないと。

VMしかし、うまい人は上手いっすねえ。この写真の右側なんて、レプリカに見えないっすよ。

FVこれをやってくれたレストーラーさんは特別だよ。色彩感覚っていうか、絵画とか彫刻とか、そういった造形美とカラーリングが、けた外れてる。

VMせっかくバラしてるので、載せ換えてみましょうよ。まず、前回4PLYを搭載した75年。よく見ると、ロッドカバーとピックガードの色味に、かなり差が出ています。

FV次の画像がわかりやすいよ。

VMあっちゃ~、これは気になりますね。

FVで、さっきの画像の右側の4PLYピックガードに載せ換えると、違和感が消えてすっきり。カッコよくなった。

VM色合わせ、大変ですねえ。

FV同年代のロッドカバーから、色味が合うのを選ぶ場合もあるよ。これなんか、ロッドカバーが焼けすぎていたから、もうすこし綺麗なものに交換して、ピックガードとマッチングさせてみた。

VMすみません、仰っていることがほぼ理解できていません、僕は(笑)

FVそもそもが、ややこしいんだよ。いいかい、まず「①80年代のホワイトVのピックガードが3PLYに交換されてた」ってのは、いいよね?

VMオーケーです。3PLYですね。

FVで、これを「②4PLYの2mmに交換する」。エイジドしてもらったのがこれだ。

VMおおおおおお、むちゃくちゃリアルじゃないですか。かっこいい~。

FVところが、「③ロッドカバーに目を向けてみると、すごく日焼けしていて茶色っぽい」ので、これも何とかしたい。

VMビキニの日焼け跡みたいで、ちょっと萌えますね。

FV君だけだろ、そんなの。まあ、この中から選ぶとしたら、一番右だな。

VMクローズドオーですね。

FV完成。どう?

VM僕的には、色合いもシェイプも完璧に見えてます。このピックガードは「Ver.4」でいいんですか?

FVそうだね、ナッシュビルタイプ用で緩やかRだから、「Ver.4」に分類していいだろう。

VM写真のフォルダを見てたら、変なのがありました。ジョイント部分に穴が…。

FV80年代だね、こんな適当っぽい作り(笑)

VM今回は画像も多いので、ヴィジュアル的に理解しやすかったと思うんですが、どうでしょう。

FV前編の冒頭でも表現したように、「微々たる違いを直観的に感じた瞬間から、違和感の補正に 延々と取り組む」ってことが、Vの場合はピッタリくる。それだけ「70年代や80年代の個体のピックガードに、エスカッションネジや、デュアルサウンドのミニスイッチ穴などが加工されていて、オリジナルをとどめていないことが多い」という現実に直面するんだな、Vマニアはみんな。

VMそして3PLYと4PLYの違いですね。

FVFVの場合はピックガードネジが交換されていると、やたら気になる。私の悪い癖だが。

どうみても頭がでかい
これですっきり

カスタムメイド・ピックガードとオリジナル

では、最後に今回新たに4PLYを搭載した4本のフライングVとオリジナル4PLYの2本を順番にご覧ください。

新たに作成した4PLYでスリムになった74年メダリオン改。
新作日焼け4PLYピックガードとロッドカバーのカラーマッチングが完璧な75年。
4PLYピックガードを含め、フルオリジナルの80年代。
新たに作成した4PLYで、スリム度が増した80年代。「緩やかR」がカッコいい。
同じ80年代だが、「シャープR」のオリジナル4PLYピックガード。
新たに作成した「緩やかR」の4PLYは、ブラックボディでさらにスリムな印象を増した。

変形ギターのピックガードという分野では、エクスプローラーも結構奥が深そうです。白1PLYや黒4PLY、白4PLY、その他多くのバージョンが混在するようですので、今度整理してご紹介しますね。

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