【俺スキ】バリトンとSully Ernaモデル - おちゃめなレスポール・スタジオ
高性能なフランジャーを内蔵したSully Ernaシグネチャーのレスポール・スタジオとバリトンギターに注目。適当な商品企画で、やっつけ発売しちゃった感もあるバリトンLPからは、ギブソンのカントリーミュージックにかける思いを感じます。
目次
VM(Vintage Maniacs)あー、これ買っちゃいましたか…やっぱり。
FV(Fukazawa Vintage Club)ヴィンテージギター・マニアのみなさんには、ちょっと退屈かもしれないけれど、久しぶりに「俺スキ」をやらせていただきました(笑)
VMケースの蓋を開けると、こんな感じに収まってるんですね。そもそも右のケースの長さを見て質問しようと思ったんですがネタバラシが早い。ペイント・レスポールはフランジャー内蔵のSully Ernaシグネチャーで、もう一方はネックの長いバリトンギターですね。
FVケースを見ただけでもバリトン・レスポールは相当異質だよ。レスポール・ベースかと思っただろ?
VMほんとですね、随分長さが違う。そもそもバリトンLPって、どんな位置づけなんですか?
FVお、Sully Ernaから先に解説しようと思ったけど、さすが付き合いが長いだけあって、私の好きなポイントをわかってくれてるね。
VMいや、わからないですよ。どこが好きなのか。でもまあ「どっちから聞いて欲しそうか」って考えれば、うじゃうじゃ蘊蓄を語れそうなのは、バリトンLPかなって。
FVじゃあ、Sully Ernaモデルから説明するよ。
VM偏屈だなあ…。
Gibson Sully Erna Les Paul Studio
FVSully
ErnaはGodsmack(公式YouTubeチャンネル)ってバンドのリーダーで、1998年に発売されたデビューアルバムがUSチャートでプラチナアルバムになったから知ってる人は知ってるよね。トータルで1,500万枚のアルバムセールスを誇るビッグバンドだ。格闘家が頻繁に登場するMusic Videoが印象的だけど、Sully Ernaがソロになってからのバラードは、四人囃子の世界観を連想したりして聴きごたえあるよ。
VMでもギブソンが、まるまるペイントのミュージシャンモデルを出すのって結構めずらしくないですか?
FVそれだけ人気のあるアーティストだってことだろ。バンドのシンボルになっている「太陽のイラスト」は、なんとなく岡本太郎先生を彷彿させていて好きだ。
VM12Fの星型インレイとかヘッドの三日月3個とか、本来だと「Custom Shop Model」として、とんでもなく高額なプライスタグがつけられそうですが、FVさんが勢いで買ってるぐらいだからリーズナブルな価格なんでしょうね?
特徴的な内蔵フランジャー
FV特筆すべきはフランジャーを内蔵した程度で、ギブソンが商品説明に「Among the sonic surprises hidden within this stripped-down Les Paul are a built-in flanger」って大口たたいているところだな。
VMで、そのフランジャーはどうなんですか?
FVそれが、期待を大きく上回る「秀逸」なフランジャー。さすがにミュージシャンモデルとあっては手が抜けないんだろう。すごいよ、効きが。ただ、ギブソンのホームページの製品ユーザーレビューに、“婚約者からこのギターをプレゼントしてもらった男性”が「ものすごく電池を消費するんだ」って文句を投稿してた。実際そう感じるが、“けなす”のにわざわざ「フィアンセからもらいました」って書くか?
VM阿保ですね(笑) 私なら「素直に喜んで良いことばかり書く」か、「もらい物とは書かずに率直にけなす」か、です。
FV人間出来てきたね。
VMはい。でも、いまだに結婚できませんが…ギターのせいかな? 電池は交換しやすく設計されてますね。
FVせめてもの対策だろ。
FVパーツを含めて、全体を通じたブラックカラーのテイストがかっこいいよ。
VMそういえば、フランジャーのスイッチはトーンがプッシュプルなんですよね。なのに、なんでトグルスイッチまで搭載してるんですか? 1PUでしょ?
FV買った日にいろいろいじってて、単純に「Kill Switch」だってわかるまでに5分ぐらいかかったよ。
VMこのあたりですでに、ギブソンとしての商品企画とか仕様とか限界にきてますね。倒産のきざしが…。
FVアメリカの連中は、みんなそう感じたんだろうね。それでも、ちゃんとハードケース付きで発売されているあたりはユーザーフレンドリーだ。アメリカの場合は、移動時は一部の都会生活者以外はクルマにギターを積むから、やっぱりハードケースは必須アイテム。
Gibson Les Paul Studio Baritone
VM次行きましょう、次。こっちはまともそうです。バリトン・レスポール。ネック長いっすね。
VMまた読者の方々からお叱りをいただきそうなギターの置き方。ぞんざいな扱いをしてますね。このコーナーも今後ちゃんと雑誌に載るんですから、後世に残ることを念頭にいれて丁寧に撮影してくださいよお。
FV配慮してるつもりだけどなあ…。この撮影の時は危なかった。落としたかと思ったよ。
VMそもそも、バリトンギターってどんな用途なんですか? 日本では見ないですよ、ライブとかで。
FVよく例えに出てくるのは、マカロニウエスタンのガンマンが登場する場面で「ダンダカトコトコ…」って、馬の走る音みたいな低音、聞いたことあるだろ? ダンエレクトロが50年代から出しているくらいだから、それなりにアメリカのカントリーミュージック・シーンでは需要があるんだと思うよ。近年のヘビメタで使われるESPとか、大体が27インチを採用していて結構愛用されとる。
VMしかし、このワランティカードの文字のヘタクソさって、なんとかなりませんかね。モデル名が全然読めません。
FV仕方ないから自分で調べたさ(笑) SGのバリトンギターは27インチスケールと書いてあって、LP Studioのバリトンは27-3/4インチとある。
FVそのほかのギターとしてのスペックは、Les Paul Studioと同じだな。
FVネックジョイントも、特段補強されている感じじゃない。
ギブソンとカントリーミュージック
VMブームに乗り遅れないように、適当な商品企画で、やっつけ発売しちゃった感が満載です。今はギブソンのホームページからも消えてるし。(SG Baritoneはちゃんと掲載されていました)
FVギブソンってやっぱり、なんだかんだいってNashvilleの地でカントリーミュージックに貢献したい使命感みたいなものがあるのかもね。
VMいずれにしても、IbanezやESPがバリトンギターで成功しているのに、ちょっと切ないですねえ。
FVまあ、そういわず、ギブソンの泣き所というか、弁慶の泣き所を温かく見守りましょう。
VM買った人だから言えるセリフですね(笑)
このあと「SG Baritoneには、なぜポジションマークが無いのか。わかりづらくないのか」という、とりとめのない話題になりました。
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