兄弟に見える? B.C. Rich SeagullとGibson SG

1970年代に輸入ブランドを初体験したギターキッズにとって、SG StandardとB.C. Richは憧れの存在です。今回はSeagullにクローズアップしました。随所にみられるSGとの共通点をお楽しみください。

Gibson SGとB.C. Rich Seagull

1970年代に輸入ブランドを初体験したギターキッズにとって、SG StandardとB.C. Richは、かけがえの無い存在です。ギブソンは本国での量産体制が整い、ヨーロッパにアジアにと輸出を拡大していた時代ですから、神戸や梅田の楽器店の店頭で見る機会も多くなり、レスポールやSGは憧れの的でした。

一方で新興勢力のB.C. Richも、70年代後期には桑名正博さんや後藤次利さんが使っている映像がテレビで頻繁に流れ、とてつもなく高額で、それこそリッチなハンドメイド・ギターと感じていました。みなさんも同じ印象だと思います。

B.C. Richのカタログ

カタログの写真には、楽屋でSeagullを弾くエリック・クラプトンの姿も見られます。

Seagullを弾くエリック・クラプトン

写真の3台は、当時からずっとトリオのコレクションとして手元にあったものです。SG Standardは珍しいトフィーブラウンで、マホガニーの色がきれいに出ていて大好きなカラーです。Seagullも同じくマホガニーの色が美しいですね。

SGとSeagullのコレクション

SG StandardとSeagullのデザインと作りを見ていると、多くの共通項があるのがわかります。

SG Standard全体

B.C. Rich Seagull全体

特にカッタウェイやボディ底部の左右に施されたコンター(ボディのエッジを斜めに削っている部分)は、手作業でかなり大胆にカットインしています。角度によっては、同じモデルが3本並んでいるようですね。

3台並べたSGとSeagull正面

3台並べたSGとSeagull背面

SGとSeagullのコンター正面

SGとSeagullのコンター背面

SGは比較的目にする機会が多いので、今回はSeagullをクローズアップしました。随所にみられるSGとの共通点をお楽しみください。

Seagullのピックアップ
ピックアップは、なぜかGuild製。
ハカランダの指板
指板はバリバリのハカランダ。
センターストライプのボディ
スルーネックならではのセンターストライプが豪華。
グローバーのペグ
ペグはアメリカンなGrover。
Seagullの卵型バックプレート
卵型のバックプレートには憧れました。
Seagullのスイッチ
スイッチたくさん、虹色のサウンド(笑)
レスポールっぽい位置にあるトグルスイッチ
トグルスイッチはレスポールっぽい位置でした。
クワガタのようなツノ
このツノがクワガタっぽくてCool。
コントロールキャビティ部分の加工
コントロールキャビティの立体的な盛り上がりは手の込んだ作業。
Seagullのコントロールキャビティ
すごく立体的です。
SGに似たカッタウェイ
ここはSGっぽいカッタウェイ。
個体差のある加工
もう1本のプロトタイプと比較してみると、かなり処理がマチマチです。
プロトタイプのSeagullはディマジオ搭載
一番上は初期のプロトタイプで、ディマジオが搭載されています。
Seagullのポジションマーク
ポジションマークは豪華なクラウドインレイ。
Seagullの美しいエッジ処理
何度見ても美しいエッジ処理。
SGに似たSeagull
SGと並べると兄弟みたいです。チェリーやウォルナットカラーのSGだと、だいぶ印象が違います。
SGとSeagullのヘッドストック
ヘッドストックの大きさはB.C. Richの勝ち。
太陽光に輝くSeagullのボディ
夏の太陽光が似合いますね。さすがウエストコーストのメーカーです。
Seagullのブリッジ
実は、ギブソンのレスポール・ジュニアやスペシャルのイントネーション調整用に開発されたLeo QuanのブリッジもB.C. Richの特徴でした。デザイン的にもすっきりしていて好きです。なんとサドルがプラスチック!ギブソンを意識してますねぇ。
Seagullのサーキット
てんこ盛りのサーキット。
SGとSeagullをバックからツーショット
はい、背中からのツーショット。
Seagullのオリジナルハードケース
オリジナルオーナーのレター付き、オリジナルハードケース。
Seagullのハードケースの内装
実はこのハードケース、70年代のSG用角ケースとまったく同じ。ただし中のアンコはSeagull特注。
Seagullのハードケースの金具
凝ってますね。金具を見ると同じ製造メーカーなのがわかります。

いかがでしょう、SGとSeagull。今でもSeagullのボディシェイプは復刻されていないので若い人たちには馴染みがないかもしれませんが、古き良きチャレンジングな70年代を回顧すると、こんな素敵がギターが出てきます。最後に、こんなギターがあったらいいな…的な画像をどうぞ。

ギブソンのマエストロ・ヴァイブローラを搭載したSeagull

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