デジタル・ヴィンテージ・ポートフォリオ 第2回
ギブソンはこれまで独創的なデザインのギターを製作し、そのチャレンジ精神にはいつも驚かされます。そんなギターをチューンナップする、オリジナルなアイデアを出すのはハードルが高いのではないでしょうか。今回はヴィンテージギターの「あったらいいね」企画を検討しつつ、ギターデザインについてFukazawa Vintage Clubと一緒に振り返っていきます。
目次
デジタル画像加工とギターデザイン
VM(Vintage Maniacs)第2回も、引き続き「ありそうで無さそうだけど、あったらスゴイVintage Gibson」という視点から、デジタル加工したデザインのお話です。
FV(Fukazawa Vintage Club)冒頭の加工画像は、人気の低迷するSG Customに於いて、カラーリングの在り方を模索する良い例だね。
VMSG Customは、もともと地味なカラーリングでステージ映えしないギターの代名詞ですから、なにかインパクトが欲しいですよ。
FVでも、ここまでやっちゃうと、デジタル処理なんだか本当に存在するのか、ぐちゃぐちゃしてこないかい?
VMホントですね、全く。好きにやればいいってもんでもないですから。
FVそういえば、ジョー(ボナマッサ)が楽屋で見せてくれたコリーナギターの写真だけど、あれは凄い存在感あったよ。コリーナのラップスティールとレスポールジュニアのエッセンスを融合させて、しかもハードウェアも破綻していない、秀逸な曲線のデザインだ。
VMで、作っちゃったところが、またスゴイですよ。ぜひ今度、LP Jrをリチューニングして企画しましょうよ。
ヴィンテージギターの「あったらいいね」
FV80年代にアメリカのギターショーでこれを見たときは、「あほか?」って思って、つい飛びついて買ったよ。Map Guitar。
VM後年Epiphoneブランドで復刻してましたから、インパクトというよりも企画部に好きな人がいたんでしょうねえ。
FV余談になるけど、
前回の記事にワイドピックガードのコリーナ・モダーンがあったろ? あれは、もともとIbanezがコピーしたモデルが、ベースになっているデザインで、82年にギブソンが復刻したデザインよりも、なぜか目に馴染む。同じ印象だけど、GrecoがラインナップしていたFVベースにこんなのがあって、Gibson製よりもヴィンテージっぽい。
VMまあ、このあたりまでくると良し悪しじゃないです。左側のブルーのV BASSは、モダンでハードロックな香りがする80年代ですね。一方で右のモデルは、ギターと並んで50年代のNAMMショーのブースに展示してあっても溶け込んでしまうでしょうね。
FVNAMMショーといえば、ウサギさんのデザインもあったよ。
VMいやあ、さすがにこれはフォトショップでも画像加工しようとは思いつかない大胆なギターです。
FV(笑) でも、これを企画したひとは、いろいろ「バニーちゃん」のデザインを考えたんだろうなあ。
VMいっそ、ヌード女性のボディフォルムに…あ、ぜんぜんヴィンテージじゃないですね。
FV今頃気が付いたか。
VMギルドのどんぐりギターも、実際に販売されているのを見るまでは、カタログ用の画像処理かと思ってました。
FVデジタルで、いろんなヴィンテージギターの「あったらいいね」企画をやりたいと思ったんだけど、実際にギブソンが過去にトライしたデザインを眺めていると、相当いろんなアングルからチャレンジしていて、オリジナルなアイデアを出すのはハードルが高いよ。
VMあ、コーナーとして連載しますか? 「デジタル・ヴィンテージ・ギブソンのポートフォリオ企画」。バナナヘッドのJrとか、ハムバッカーのスペシャルとか、すでにギブソンがやっちゃってますけど。
FV意外に穴場で、反響が大きかったのがエボニーブロックだ。これは画像加工じゃなく本当に搭載して撮影したもんなあ。本数が多くて重労働だった。
VMいまでは結構簡単にいろいろなカラーや材質が手に入りますけど、ヴィンテージの視点で見ると、ピックガードの色が違うだけで十分に「カスタムモデル」とか「Limited Version」って呼べそうです。
FVファイヤーバードⅢなんて、エボニーブロックがあったほうが本物っぽくない?
VM言えてます。あ、宣伝ですけど、簡単にエボニーブロックを搭載できるユニットを企画しました。
FVギターだけでなく、ベースもちょっと手を入れるだけで随分Coolなヴィンテージルックになる。だから、いろいろパソコンで加工して試してみて、納得がいったら次は実際にチューンナップしちゃうとかね。
VMあ、そういう企画もいいですね。Vintage Maniacsでいろんなデザインを提案したり、みんなに応募してもらって、一年の最後に作っちゃう。
FVBilly Gibbonsに捧げる(笑)SGVは、単に空想に終わらせず、パーツやロゴまでこだわって作ってしまうという。いわゆる暴挙だが、人気が出たらGibsonが正式にラインナップするんじゃないか?
VM予感がしますねえ。楽しみ。最後になりますが、これも実際に作っちゃったアンダーウェアです。
FV穿いてるの?
VMはい、時々(笑)
事実は小説よりも奇なり
FV次回は、いよいよ「デジタルでヴィンテージをデザイン」してみようと思うんだ。君も口出して良いよ。そのかわり、行き当たりばったりじゃなくて、ヴィンテージっぽいコンセプトを踏襲してくれよな。
VMチョチョイノチョイですよ。ギブソンだって、この程度ですから(笑)
FVあ、これかあ。企画意図がはっきりしすぎて怪しいデザインになってるよね。
VMどれを見ても、僕のほうがデザインセンスあると思うんですよ。
FVあ、そうだ思い出した。レフティも、本物を見たって「画像反転」に見えちゃうから、人間の感覚ってそもそもが先入観だね。
VMデジタル加工っぽいギターでいうと、僕的には「7弦のFlying V」ですね。とくに58モデルっぽいメタルストリングプレートを採用しているから、ヴィンテージ感覚もばっちりです。
FVこのツーショットを見てると、デジタル加工した画像に見えてくるから、事実は小説より奇なり…だな。
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