Non-Reverse Firebiedの経緯と60年代 (後編)
以前ご紹介した「Little Wing」の別バージョン、トラメのチェリーサンバーストでレスポールっぽいノンリバ・ファイヤーバードにクローズアップ。ノンリバース談義へのアンサーともいえるモデルです。
目次
トラ目のノンリバ・ファイヤーバード「Little Wing」
VM (Vintage Maniacs)前編はフェンダー社の意見広告っぽい誌面と、リバースかノンリバースかって議論でしたが、後編でやっと本題の「Non-Reverse Firebird」ですね。
FV (Fukazawa Vintage Club)そうだった。フェンダーの話じゃなかったな。
VMスルーネックのリバースと、セットネックのノンリバでは、圧倒的に製造コストが違いましたね。
FV個人的には、どちらのデザインも好きなので甲乙つけがたいけど、このカタログのファイヤーバードはむちゃくちゃかっこいいだろ?
VMちょっとRDシリーズっぽいっすね。サンバーストだと、特に。
FVで、以前紹介した「Custom OrderのLittle Wing」だけど、ちょっとした仕様変更というか カスタマイズされたバージョンを紹介するね。
VMノンリバのボディって、なんとなく「ノッペリ感」がフェンダーとも違うし、ギブソンっぽくもないし。
FVでも、トラメのチェリーサンバーストっていうのも、レスポールっぽく豪華で良いだろ?
VMいわゆるレスポールっぽいファイヤーバードのノンリバースってことで。あれ? ピックガード、こんなんでしたっけ?
FVよく覚えているねえ。嬉しいよ。前回紹介した個体は、ピックガードが「赤い火の鳥」だったろ? お知り合いの方のご厚意で撮影させていただいたんだ。
VM今回は「金の火の鳥」ですか。焼き鳥チェーンみたいですね。
FVそれ、「黄金の串」と「鳥貴族」と「炭火やきとり“火の鳥”」を一緒にイメージしてないか?(笑)
VMなんだ、別のギターだったんですね。僕は赤いファイヤーバードが好きかなあ。
FVダークバーストには「赤い鳥」が似合うね。チェリーサンバーストには「ゴールド」だ。
ノンリバース談義へのアンサー
VMまあ、前編で「フェンダーのいちゃもんから、デザインをノンリバースにしたギブソン」って歴史を垣間見たわけですが…。
FVそう分析している人がいるって話で、実際にフェンダーが面と向かってギブソンに「あんた、それ、やりすぎとちゃうか?」って言ったかどうかは、わからんよ。
VM歴史って、たかだか60年前の出来事でも、あやふやですね。
FVそれでも、ギブソンはやっぱりオフセット・コントアー・ボディへの執着を止めなかったから、デザインの特許って曖昧模糊としているよね。
VMで、FVさんとしては「Custom Order」のLittle Wing Firebirdは、これらシリーズをオマージュしているという、ノンリバース談義へのアンサーなんですね。
FV大げさに言えば、そんな気持ちだね。
VM僕が60年代のGibson社商品企画部門の社員なら、ノン・リバースモデルは、違うモデル名にしたいなあ。新しいデザインをファイヤーバードと呼ぶと、マーケットやディーラーが混乱します。ここはひとつ、「Phoenix(不死鳥・鳳凰)」っていうニューラインナップにするのはどうでしょうか。
FVおー、ファイヤーバードの後継モデルがフェニックスっていうのはクールだな。
VMしかし、あらためて「プライのスルーネックにバンジョーペグ」という、他のソリッドギターに比べて製造コストがかかるファイヤーバードを、よくレギュラーラインナップで販売してましたね、ギブソンは。
FVまあ、この3本(FV・EX・FB)の中で、一番原価が高いのはFBだな。
ギブソンのポスターカタログ
VMちなみに、このカタログ、裏面がむちゃくちゃカッコいいっすね。
FVポスターカタログ、このほかにも3種類あるよ。
VMえ、え、え? 紹介してくださいよ。
全部で4種類のポスターカタログ。
スラッシュ、人気ありましたね。LP=ジミー・ペイジという世代と、LP=スラッシュという世代に分かれますね。
SGといえば、この人でしょう。
チェット・アトキンス・モデルだけでポスターカタログを作っちゃうギブソン。随分と力を入れましたね。
VMしかし、つくづく感心しますよ。FVさんて、ほんとモノを捨てない人ですよね。
ノンリバース・ファイヤーバード前後編まとめ
VM最後にもう一度リトルウイングを見ていて気がつきました。
FVポジションマークがディッシュだろ? レスポール・スタンダード風ファイヤーバードだからね(笑)
リバースとノンリバースの呼称からスタートした前後編、いかがでしたでしょうか。「The Most Imitated Guitars In The World」からスタートした60年代回顧。ギターのデザインとは誰のものか、少しだけ考えさせられますね。
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