EBのドレスアップというか、ちまちまレストア
EBベースのオーナーでも気づいている人は少なそうな、バリトーンスイッチ・プレートのデザイン。今回は細部にこだわってマニアックにDIYで製作。買ったほうが早くても「自分で直す」と愛着が湧きます。
目次
どこか「変」なギブソン・ベース
FV (Fukazawa Vintage Club)どっか変だろ?
VM (Vintage Maniacs)変ですね。
FV今日は、ちょっとしたD.I.Y.でレストアしようと思ってね。
VM「変」なところが、僕が思っている通りなら、「レストア」っていうほど大げさな作業じゃないですよ。
FVだから、タイトルは「ちまちまレストア」になってるだろ。
VM2台とも、また買ったんですか?
FVう~む、EBって安く売られていると、どうしようもなく可愛くて買っちゃうんだよね。
VMじゃあ、見ていきましょうか。
FV紹介するのは、メイプルネックに変更されてからのEB-3L。いわゆる2PUのロングネックだ。
VMチェリーはマホガニーネックの時代ですね。ウォルナットが70年代中期のメイプルネック。あれ? このチェリーのベース、ボディがセンター2ピースじゃないですか?
FVよく気がついたね。私の「2Pコレクション」の自慢の一台だ。
センター2ピースボディのSGはカタログに無いレアモデル
2017.10.20
VM自慢はいいとして、メイプルネックのギブソンって、なんとなく馴染みがないんですよね。
FVそうだね。フェンダーみたいなパンチのあるメリハリの効いた重低音じゃない。ピックアップとの相性が悪いのかな。
VMしかも、ヘッドがやたらデカいっす。
FV確かに、気にした事なかったけど、並べるとデカいな。
VMで、変な部分の「ちまちまレストア」ですけれど。
FVこれ、どう思う?
VMかっこ悪すぎて、屁のツッパリにもなってませんね。反省して下さい。
FV最初「これでもいいかな?」って思ったんだけど…。
VMFVさんを見ていると、ときどきギター以外への愛情が感じられなくてヒヤヒヤしますよ。
FVそうかなあ、同じぐらい愛してるんだけど。じゃあ、これは?
VM100点満点の10点以下ですね。裏返しただけでしょ? サイズが小さいし。
FVでも、やっぱりプレートがないとヘンテコだろ?
VMそういえば、ちょっと前にレスポール・ベースをチューンナップというかレストアしてましたよね。よっちゃんが結構時間をかけて実践機に仕上げてましたけど。
FVあ、これね。ピックアップを載せ替えて、コントロールプレート自作の。
5.5キロのグラビティ - レスポール・ベース・チューンナップ
2021.9.17
VMやれば出来るじゃないですか。
FVそりゃ、よっちゃんに頼めばすぐだけど。それだとD.I.Y.にならんだろ?
VMじゃあ、僕がいまから東急ハンズにいって材料を買ってくるんで、その間はベースの解説をしててください。行ってきまーす。
作業の前に細部をチェック
ということで独りになったので、とりあえず普段あまり覗かないギブソン・ベースの細部を見てみましょう。まずは会話にも出てきたヘッドの長さです。
そして大きなボリュート。
3ピースのメイプルネックはかなり頑丈なので、ボリュートは必要ない気もしますが、シェイプとしてはかっこいいです。ネックジョイントは少し段差がありますが、60年代っぽいですね。いかにも重そうなネックです。
ダイナミックかつデリケートな、スイッチプレートのデザイン
FVお、そんなこんなでクローズアップ解説してたら、早かったね。
VM最近、電車よりも自転車のほうが早いし健康的なんで。(渋谷まで半蔵門線で4駅です)
FVどれどれ。あ、ポンチまで買ってくるとは準備万端。
FVじゃあ、切り抜くか。
VMできましたよ。
VM次は内側の丸い穴ですね。
FV上出来だね、ここまで5分の作業だ。オチャノコサイサイってもんだな。
VMじゃあ、つけてみましょうか。
FVいいじゃん。バッチリ。
VMそうかなあ……。なんかノッペリしてませんか?
FVそう言われれば、そんな気もしてきた。やっぱり数字が入ってないと…。
VMと、思って。ジャ~ん。
VMインレタです。あえてインクジェットプリンタの時代に、プラモ売り場で見つけてきました。
FV東急ハンズさまさまだな。
VMで、インレタを貼りやすいように、光沢の樹脂板も買ってきました。さっそくポンチで抜いてみましょう。
FVでも、これだと装着したときにペカペカ過ぎないかい?
VMまあ、見ててくださいよ。
VMEBのプレートの数字「1~4」って、 中心から扇状に並んでなくて、実はプレイヤーから見たときに「真っ直ぐ」になるようにレイアウトされてるんですよ。こんな感じ。
FV気がつかなかったよ。こうじゃないんだ。
VM「バカボンのパパ」の鼻毛にも見えますが、まあ言わんとすることはわかりますよ。
FVギブソンのデザイナーって、ほんとダイナミックかつデリケートだなあ。これに気づいている人って、EBのオーナーでも、そう沢山はいないんじゃないかな。
VMで、仕上げに「艶消しクリアー」を吹きます。
FVお~。これはさすがに完成度高い。さっそく取り付けてみよう。
VM完璧ですね。
FV最初がこれだろ?
FVで、次がこれ。
FVそして数字なしバージョン。
FVで、完成版。
いやはや、今回はマニアックにやり遂げた感のある、D.I.Y.のバリトーンスイッチ・プレート「ちまちまレストア」ですが、ポンチや樹脂板、インレタなどで総額7,800円のレストアでした。バリトーン用プレートは、国産メーカーからアフターパーツでも販売されているので、買ったほうが早い気もしますが、なんとなく「自分で直す」というのが、楽しい「家庭菜園」みたいな感覚ですね。愛着が湧きます。
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