ヘンテコギブソン WRC Wayne Charvel ライセンスモデル
歴代ギブソン・デザインの中でも異彩を放つGibson WRCにクローズアップ。エクスプローラーベースも加えてGibsonっぽくないモデル特集!
T 今日は、やけに嬉しそうだね。
J ここで80年代の奇天烈ギブソンをやるなんて意外だからなあ。
T 歴代のギブソン・デザインでは一番ポリシーないだろう。
J だって、これってWRCっていうぐらいで、Wayne Charvelのライセンスモデルだよ。
T そうだね、たしかリーフレットにもCharvel本人が出てた。でも契約で揉めて結局200本しか生産されてないんだ。
J いっしょに写ってるベースは?
T 当時の変わったギブソンってことで愛器を持ってきた。カタログの上段ね。下のベースも変わってる。どうでもいい感じのジャズベ?(笑)
J WRCってモデルだけど、フロイドローズっぽいブリッジを搭載している。当時のブロンド・ギタリストのLAメタルシーン向けか。このブリッジは、よく見るとフロイドローズ・ライセンスのゴトー製だそうだ。クランプで弦をロックするんだけど、ストラトキャスターみたいな裏通しで結構使いやすいよ。
T 最大の特徴は、デタッチャブル・ネックで出ちゃった…って洒落じゃないけど。
J Tさんのは弾きこんでるね。
T 3.2kgと軽くて取り回しもいいよ。
J そもそも80年代後半って、ギブソンもやたらめったらケーラーやフロイドローズっぽいブリッジをつけてたでしょ?
T 時代の流れだろうね。でもケーラーが狂うんだよ、音程。
J そうかな、ちゃんとセッティングすれば、かなり使えると思うけど。
T ちゃんとセッティングするの、面倒じゃん(笑)
J ネックジョイントって加工精度高いね。クラックもないし。
T そのあたりは、なんといってもギブソンですから。楽器としてはしっかりしてますよ。こうして30年放置してても15分手入れしたらしっかり弾けるしね。
T スイッチが壊れてたのでeBayで買って輸入中。
J 日本でも売ってるでしょ?
T そうなんだけど、なんとなくeBayってポチってしちゃうんだよねえ。
J ロッドカバーをいじったんでしょ?
T もともとチェット・アトキンスみたいなひげロゴで、ややもするとアジア製のコピー品に見えない?
J まあねえ。ときどきオークションで出ても、出品者が「本物のギブソンかどうかわかりません」みたいに書いてるからね。テイストがパチモンっぽいな。GibsonとWayne Charvelのコラボって、下妻物語のUNIVERSAL STADIUMとVERSACHのダブルネームTシャツみたいだね。
T だから手元にあったファイヤーバードのロッドカバーを切って取り付けたの。
J うわー、もっと変だよ。どっちか消そうよ。
T やだ。
J ベース見ようよ、ベース。
T このツーショット、誰が見てもギブソンじゃないよな。KramerかシャーベルかESPだ。
J いい意味で、時代だね。
T ギブソンの変形ベースは、フライングVベース、エクスプローラーベース、サンダーバード、グラバーとかリッパーを含めて、また特集するよ。今日は天気もいいから細部の撮影。特徴的なのは、やたらめったらGibsonのロゴが入っていること。主張してるね、Made in USAを。
T ストラップピンは菱型で、意外とストラップが取れなくて良いアイデアだった。
J それなのにヘッドストックのロゴはシルクプリント。もっとここは豪華に金のレイズドロゴは駄目でしょうか。
T グッドアイデア(笑)
最後に、このGibson WRCのトレモロブリッジはすごく特殊で、アームを失くすとめったに純正品は見つかりませんが、「Ibanez 2LE2-1B」というアームがゴトーのブリッジでバッチリ使えました。
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