スプリットヘッドのコリーナ・モダーン - ギブソンのサンプル機

英語の「Modern」は「近代的な」とか「先進的な」という意味ですが、ギブソンのモダーンは正確な綴りでは「Moderne」と書くので、ちょっと高貴な雰囲気を出すためにフランス語を意識していたのかもしれません。

北米には結構コアなModerneファンがいて、1982年に復刻コリーナ版が登場する前後からすでにIbanezのコピーモデルなどでコレクター熱が盛り上がっていました。当時はインターネットのような国境なき画像閲覧手段は無かったので、アメリカのギター専門誌の文通欄で住所を交換して、エアメールで写真をやり取りするのが楽しかったです。

1982年にコリーナトリオが復刻した際、私が一番好きで欲しくてタマラナカッタのがモダーンなのでした。

当時、MGMの大西さんに頼んで、名古屋の輸入元からシリアルナンバー連番で入手したときは、毎週毎週、神戸や六甲、有馬や西宮のヨットハーバーに出かけては写真撮影に勤しんでいました。

この頃の写真を北米駐在時にVintage Guitar Magazineの編集長に見せたら早速誌面で紹介してくれて、結構な反響があり、ギターショーに行くたびに「おお、あれ見たぜ。クールだな」って感じで声をかけられたりしていました。

余談ですが、当時住んでいたGreenwoodはサウスカロライナの田舎町で、話題といえば、Abbevilleという隣町にジュリア・ロバーツが映画「Sleeping with the Enemy」の撮影ロケでやってきて、Greenwoodのホテル「Inn on the Square」に宿泊したことぐらいです(笑) “GreenwoodのTaddy”は、そんな訳でギターショーではちょっと有名でした。

めずらしいスプリットヘッドのコリーナ・モダーンは、ギブソンがマホガニーで限定復刻するベースになったサンプル機です。プロトタイプではなく、工場で試作され出荷されなかったデザインラボのハンドメイドなので、シリアルナンバーや「Proto」の刻印がありません。

80年代のコリーナ・フライングVと比較すると、だいぶ明るいリンバ・ナチュラルに塗装されています。ブラウンスリム・ハードケースはフライングV用のケースと似ていますが、サイズが異なり小ぶりです。

ヘッドストックのロゴはレイズドロゴでなく、のちに50th記念で発売されるヘンテコなフライングVのヘッドロゴと共通した筆記体のデカールになっています。

ギブソン50th記念のロゴ
Gibson Commemorative 50th Anniversary Flying V

全体的にトラ目が浮き出たコリーナ材やスプリットヘッドなど、随分と時間をかけた結果がマホガニーのLimited Versionですので、商品企画と市場モデルにギャップがあるのは何処も同じということでしょうか。

復刻されたマホガニーのモダーン
マホガニーのLimited Version

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