ゼマイティス・ベースのチューンナップ(後編) - Stay with T スピンオフ
トニーがロニー・レーンのために製作したスーペリアモデルのベース。素朴なデザインのピックガードがロニーにすごく似合っていると思います。今回は、このベース用の新しいピックガードを製作するチューンナップを前後編の2回に分けてお届けします。

やっぱりゼマイティスですから、アルミのプレートには、なんとなくそれとなくアールヌーヴォのデザインをモチーフにしたエングレイヴィングが入っていてほしいわけです。
まずは、オリジナルピックガードを採寸して、同じものをもう1枚作成します。この作業はミュージマジックの「よっちゃん」にお願いしました。アルミプレートは2mmと1.5mmを準備しましたが、フィンガーボードの下にある隙間を考慮して1.5mmを採用することにします。
アルミを切り出す前に、まずは型紙をつくってイラストのイメージを固めます。


岩撫安彦氏がオーダーしたメタルフロント「シルバーレディー」を想起して、ミュシャの作品から「サラ・ベルナールの横顔」を選びました。

なるべくダイナミックに、プレートいっぱいに。

プレーンのアルミ板にアウトラインを描いてみます。


プレートの裏側には、トニー直筆のこんな落書き(笑)も。

エングレイヴが出来上がってきました。(Special thanks to Mr. Yonemura of ANOTHER DIMENSION)



繊細な女性のアウトライン、ダイナミックなリーフ、まさにベース版Silver Ladyですね。



Yonemuraさんが、Vintage Maniacsのプレートも作ってくださいました。

いかがでしょう、楽しんでいただけましたでしょうか。ギブソンのLP JrがCustomやStandardに匹敵するサウンドと魅力とクオリティを備えていると同様に、トニー・ゼマイティスがハンドメイドで作成した一基「Superior」ベースに触れながら、この楽器の未来を想像しています。
最後にもう一度「トニー・ゼマイティスが丹精込めて作った専用のハードケース」をじっくりとご覧ください。彼がいかに「自分の作り出した楽器に愛情を込めたか」が、手に取るように分かりますね。








ネックポケットにはレザーを追加しました。




入手した時点で交換されていたアルミプレート留め用のマイナスネジを、トニーのオリジナルスペックに戻しました。


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