ジョーン・ジェット・モデルのメロディーメーカー
現在でも現役バリバリのジョーンは、ホワイトにリペイントしたダブルカッタウェイのメロディーメーカーがトレードマークですね。今回はギブソンが何を思ってか突然企画した、ジョーン・ジェット・モデルを見ていきましょう。
Vintage Maniacsでは、ヴィンテージ・ギブソンを中心にスペックやパーツのディテールを掘り下げていますが、「俺スキ」コーナーでは、ちょっと趣向の異なるミュージシャン・モデルをご紹介します。基本的には筆者が個人的に好きな、比較的普及価格帯のマニアックなモデルです。今回はランナウェイズの姉御、生粋のロックンロール・ギタリスト「ジョーン・ジェット」モデルのギターです。
現在でも現役バリバリのジョーンは、ホワイトにリペイントしたダブルカッタウェイのメロディーメーカーがトレードマークですね。ピックアップをハムバッカーに改造しステッカーをガンガン貼った、いかにもパンキッシュなイデタチが印象的でした。ギブソンが何を思ってか突然2種類のジョーン・ジェット・モデルを企画するわけですが、今回はそのうちのブラック・モデルを見ていきましょう。
このギターに、ジョーン本人はこんなメッセージを寄せています。
“It's the guitar I played on all my hits. It's my baby.”
コメントもカッコイイですねえ。
ジョーン・ジェット・モデルは実売価格が10万円前後と非常にリーズナブルな価格にも関わらず、特注の専用ハードケースまで付いている親切さで好感が持てます。
写真手前は60年代のヴィンテージ・チップボードケースです。後ろがGibson USAのメロディーメーカー・ハードケースです。カメムシ・シェイプのメロディーメーカー・ハードケースは、70年代のリイシュー用に生産されたことがありますが、限られた台数のためめったに見ることはありません。
ギターを細かく見ていきましょう。マホガニーボディにマホガニーネック。ブラックの塗装は艶消しです。
ピックアップはシンプルな1Hですが、本人モデル同様のチューン・オー・マチックとテールピースが搭載されています。
ヘッドのGibsonロゴはゴールドデカール。ロッドカバーのジョーンのサインがカッコイイですね。
ペグはクルーソン・タイプではなくロトマチックですが、メーカーは表記されていません。
ヘッド周りの印象はヴィンテージとよく似ています。
ポジションマークはレッドのパーロイドで凝っています。さらに12Fは、某氏がご本人のためにデザインしたギターと同じハートのインレイ。キュートですね。
2台のギターを並べてみると、50年の時を隔てて復活したメロディーメーカーのデザインの、シンプルかつ大胆な普遍さに感心します。カッタウェイの内側がなんとも素敵な曲線です。
スチューデント・モデルとして量産されたメロディーメーカーは、現代のギブソンにおいても大変重要なポジションなのですね。
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