Gibson N-225 - P-90の新時代

フロントにP-90ピックアップを搭載するってのは誰の思いつきでしょうか。もともとレスポール・ジュニアはリアにP-90だし、レスポール・スペシャルはフロントとリアともにP-90です。通常のスペックからみると今回ご紹介するギターの「フロントにP-90、リアにハムバッカー」という組み合わせは、かなり奇抜な感じがしませんか？

ムーンギターズのレゲエマスターは、テレキャスタータイプのフロントとリアにP-90ですね。

で、今回のGibson N-225というモデルですが、SG好きの私にとっては、なにかと無視できない魅力が満載なので、とりあえずイシバシ楽器店にて購入してみました。音はYouTubeの動画を参照していただくとして、まあパーツにもボディにも凝った跡が見られますよ。カタログによると3色ありました。黒が「Tattoo」っぽいレッドのストライプ入りでCoolです。

まず、ハードケースが専用の落とし込みです。ちょっと写真が白飛びしていて見難いかもしれませんが、N-225以外は格納できませんでした。個人的にはもうちょっと汎用性のあるケースにしても良いと思いますが、ギブソンはM-Ⅲとかファイヤーバード・スタジオとか、他のギターが入らないハードケースを時々出していますね。

品質保証シートは意味不明なアルファベットで始まっています。「DN225C5BC1」一応型番のN225が含まれていました。

ヘッドストックはギブソンのカスタム・シリーズに搭載されている「スプリット・ダイヤモンド」で、このギターが何故か高級モデル扱いであろう事が想像されます…。私は学生時代から「スプリット・ダイヤモンド」という言葉の響きが好きで、中学校のアメリカ人の先生に英語の意味を聞いたことがありました。これといって特別な形状やデザインとして広く認知された単語ではなさそうでしたが、言葉としてもデザインとしても、セレブっぽいゴージャスな響きですね。

当然フィンガーボードはブロックインレイです。

レスポール・カスタムは白蝶貝のインレイですが、N-225はパーロイド素材になっています。確かに豪華に見えます。

ボディとネックのジョイントは、後ろから見るとM-Ⅲのようなコンターが滑らかに切られていて、ハイポジションのプレイヤビリティを向上させています。

なだらかにスラントしているのがわかりますでしょうか。

パーツは、ことごとくブラックです。

特に目を引くのが、このモデル専用のブラック・ショート・ヴァイブローラ。

わざわざ作ったんですね、このために。どうせ豪華にするならゴールドでもよかったような…。

ヴァイブローラ・アームのハンドル部分は中途半端にクリーム色です。アームの根本に角度がつけられていて、コントロールノブにあたらないような工夫がされていることは好感が持てます。ウニウニしていてヘンテコですが、プレイヤビリティが格段に向上していますね。

ピックアップは極悪非道のダーティーフィンガーズ復刻版。誇らしげにゴールドで「DIRTY FINGERS」って書いてあります。ドライブ感のあるディストーションサウンドが好まれており、80年代のオリジナルだと300ドル以上しますが、復刻版のサウンドもなかなかのものです。

ボディの黒い模様はペイントだと思っていたのですが、買って・見て・触ってビックリ。ホロウボディで、ちゃんと中空になっています。

そしてストラップピンが変な位置についていました。これもブラックです。

ここまでなら普通のギター解説になってしまいますので、Vintage Maniacsっぽくマニア受けする写真も撮ってみました。気になって衝動買いしたフロント・ピックアップにP-90を搭載した3モデルです。Les Paul Music City Jr.はフロントもリアもP-90なので、違和感がないといえば無いです。

ギブソンのチャレンジ精神にはいつも驚かされますが、10万円前後でハードケースも付属している限定モデルとしては、かなりコストパフォーマンスが高いでしょう。イチオシです。

文・写真：FUKAZAWA VINTAGE CLUB

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