チップボードケースのハンドルリペア

遅かれ早かれハンドルが取れる運命にあるチップボードケース。昨今は、多様なケースハンドルとパーツが入手しやすくなったので、一発奮起してレストアにチャレンジしてみました。

チップボードケースのリペアにチャレンジ

「壊れたチップボードケースを、わざわざリペアする時代がくるなんて思わなかった」そう感じている読者の方も多いと思います。私も、その一人です。

ずっと割れて取れたままのプラスチックハンドルですが、なかなかフィットするパーツがなくて、かれこれ30年以上も写真の状態のままでした。

段ボール素材にアリゲーター柄の化粧紙を貼り付けただけですから、遅かれ早かれ取れる運命ではあるのですが、「ギターごと落下させて壊した」って、ならなかっただけ幸運かもしれません。それでも、インターネット時代の昨今は、多様なケースハンドルとパーツが入手しやすくなったので、一発奮起してレストアにチャレンジしてみました。

そもそもチップボードケースの表面は「紙質」なので、普通のビニール張りのハードケースのように、無造作に「テープを貼ったり」すると……

剥がそうとして「アジャパー」って事になるので、なるべく避けたいですね。

ラッチや蝶番は、同年代のハードケースと遜色ないように見えます。

ただ、厚みがない分、リベットは短いものが使われていました。画像の一番左です。

リペアする前にクローズアップして各部分を見てみましょう。

ポケットの蓋は、このように、ほぼ全部「ちぎれて外れて」います。運が悪いと、取れたままどっかにいってしまって、蓋が無いってことも珍しくありません。 

内側に見える濃いめのフエルト生地は、表から打たれたリベットがギターを傷つけるのを防ぐ役目です。丁寧に何か所にも貼付されていますね。 

曲面へのハンドル取り付けとギター保護の工夫

では、簡単にリペアしてみましょう。 

後で使いますから、フエルト生地は丁寧に剥がします。

取れました。使うハンドルは、これ。 

ちょっとチープな金具部分がチップボードに似合っています。

さて、ハンドルを取り付ける面は曲面ですので、まっすぐのままでは、うまくつきません。ここでは6角ナットを挟んで、一か所だけかさ上げすることにしました。

この部分にすき間が空いているのがわかると思います。

位置決めが終わったらマーキングしておきましょう。 

そこに穴を開けます。4か所です。

表からリベットを差し込んだ状態と裏側です。

今回は、リベットだけでは弱そうなので、ワッシャーをかませることにしました。 

脚を曲げて完了。

おわったら、フエルト生地でもう一度覆っておきます。 

ここまでで、すでに十分地味な作業で飽きちゃった読者の方もおられると思います。その上、時間がかかった割には「完成度が高くない」ので自分でも反省しており、申し訳ない次第です。気をとりなおして、「運搬時にちゃんと持てる」「ギターに傷をつけない」の2点に目的を絞って、最後まで頑張ります。

これを放置しておくと、ギターのボディサイドに傷がつきますから、レザーのパッチを作って接着してカバーします。

こっちも危ないですね。 

ハンドルの位置でバランス調整

実は、仕上がりのクオリティーがイマイチ(と、自分で思っている)なのに、わざわざご紹介しようと思ったのは、このバランスです。

普通は、↓の位置にハンドルがありますから、随分と縦に傾いてしまいます。そんなわけで、成果としてなんとなく嬉しかったのです。

結論としては、チップボードケースの回でも触れましたが、「運搬の時にはアコギ用のギグバッグに入れて」持ち運ぶのが正解のようですね。もうちょっと便利そうなハンドルを探してみます。

意外に、ここのレザーヒンジは壊れません…。

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ギブソンのチップボード・ギターケース
木製のハードケースと比較すると、強化ダンボールに化粧紙を貼り付けたチップボードケースは、薄く、軽く、壊れやすく、楽器の保護というよりは、単に持ち運びや保管の際に「少し役に立つ」程度のものだったようです。

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