ゲイリー・ムーアの使用でも有名なメロディーメーカー
ゲイリー・ムーアが使用していたことでも有名なメロディーメーカーの、シングルカッタウェイとダブルカッタウェイを比べてみます。ヴィンテージのメロディーメーカーは、十二分にライブやレコーディングに耐えるポテンシャルを持っています。
ダブルカッタウェイとシングルカッタウェイのギターデザインをくらべたとき、ハイポジションへのアクセスは、どう考えてもダブルカッタウェイのほうが演奏に有利で合理的な仕様にみえます。なのに、いまだにシングルカッタウェイのレスポール・デザインが王道として踏襲されるのには、それなりの理由があります。
画像で紹介しているギターは、50年代(シングルカッタウェイ)と60年代(ダブルカッタウェイ)のメロディーメーカーです。
シングルカッタウェイは17F付近でボディとネックが接合されているため構造としても丈夫ですし、実際5~6弦の10F付近を押さえると明らかにヴァイブレーションが豊かなのがわかります。この時期のメロディーメーカーはゲイリー・ムーアが使用していたことでも有名で、十二分にライブやレコーディングに耐えるポテンシャルを持っています。
ボディの厚みは同じです。ただ50年代は比較的明るいブラウンのサンバースト仕上げとなっているのにくらべ、60年代はほぼブラックのサンバーストですので、サイドから見たボディ厚の印象は若干異なりますね。
50年代のメロディーメーカーはテールピースがアルミのコンビネーションタイプで、54年モデルのレスポール・スタンダードなどと共通しています。スタッドボルトの位置は6弦側がネックから遠くなるスラント・ポジションです。ここで紹介しているダブルカッタウェイのモデルはブリッジ・テールピースがスラントしている初期型で、60~61年前後と考えられます。
ヘッドストックは、この頃から60年代最終までのメロディーメーカー共通で概ね同様の形状をしており、SGなどとくらべると左右の耳張りがないぶんスリムです。当然ヘッド重量も軽いことから演奏中にヘッド落ちすることはありません。
50年代の特徴として、オープンタイプのノンブランド・ペグがあります。62年頃からはクルーソンのオープンタイプ3連やクローズドタイプの3連になりますが、初期にはESシリーズにも見られる下の画像のタイプが多用されていました。シリアルナンバーは、レスポール・ジュニアなどと共通のゴールドスタンプ・ロゴだったり、後年のSGシリーズで採用される刻印が混在しています。
ダブルカッタウェイのメロディーメーカーも、ジョーン・ジェットなど愛用者が多い素晴らしいヴィンテージ・ギブソンです。次回のメロディーメーカー特集はダブルカッタウェイを中心に見ていきましょう。
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