Kalamazooの贈り物 - 工場視察とチェット・アトキンス・モデル 前編

ギブソンのメイン工場は80年代前半にカラマズーからナッシュビルへと移ります。今回は各工場の様子がわかる貴重な写真資料を見ながらギブソンの歴史を振り返るファクトリーツアーです。

Behind the scenes at Gibson

80年代前半まで、ギブソンのメイン工場として数々の名器を生み出してきたKalamazoo Factory。古くは永井荷風が居を構えていたことでも知られる、ミシガン州ロウアー半島南西部に位置する町カラマズーは、1970年をピークに人口が減少し始め、ギブソンも80年代前半に、その主力工場をナッシュビルに移してしまいます。

「Behind the scenes at Gibson」と題された白黒のカタログは、そんな当時をしっかりとした画像と説明で伝えてくれる貴重な資料といえます。

ギブソンの3か所の拠点

表紙から順番に見ていきます。この時すでに、ギブソンの拠点は「Elgin」「Kalamazoo」「Nashville」の3か所であると明記されています。チェット・アトキンス・モデルが撮影されているところからも、80年代に入ってからのブックレットだとわかりますね。

ギブソンの歴史

表紙を開くと、最初のページで簡単にギブソンの歴史を説明しています。Parsons Streetの3階建てレンガ工場のことや、レスポール・モデルの成功の他、ナッシュビル工場が稼働を始めてからのカラマズー工場では、生産の半分をカスタム・モデルや高級ジャズギターに費やしている事などが語られています。

ギターの製作風景

最初の写真ページです。フレットを打っている様子、ピックアップをハンダ付けしている画像、バインディングを取り付けている風景など、貴重な写真が紹介されていますね。フライングVのボディ加工の様子も紹介されています。ゴーグルとマスクで安全対策は万全…というアピールです。

ヘッドストックにシリアルナンバーを打つ工程

貴重なシリアルナンバー・スタンプの工程です。チェット・アトキンスのヘッドストックにシリアルを打っている様子がうかがえます。これを見ると、シリアルが7桁のようですが…

ギターの塗装ブース

スプレーブースにはサンバーストのエクスプローラーからフルアコまで幅広く置かれています。新進気鋭のエレクトリック・ナイロン・クラシック「チェット・アトキンス」も完成を待つばかりです。

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Dead Stockという遺物 - アメリカのヴィンテージ・ギターショー
ナッシュビルのギターショーで山ほどのギブソンパーツを持参した出展者がいました。彼はギブソン工場の物流部門のマネージャーで「カラマズー工場から輸送してきたパーツの引き取り手を探している」というのです。

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