ミニハムバッカー用エスカッションにみるギブソンの工夫

ギブソンはパーツ作りのコスト削減のためいろいろな努力をしています。今回はミニハムバッカー用エスカッションとP-90用ピックアップカバーに注目し、どんな工夫がされているのか見ていきましょう。

ギブソンのパーツ作りの工夫

ギブソンが工夫してパーツをいろいろなモデルに適応させている姿勢には、メーカーで商品企画をする私としても頭が下がります。樹脂成型部品の単価は、「金型の初期投資額」を「成型する製品の数」で割って償却するので、むやみに高額な新規金型を製作するとパーツのコストがどんどん高くなります。一方で、出来上がった樹脂パーツに少し手を加えていろいろなギターに流用できれば、バリエーションをタイムリーかつ安価に増やせます。設計の手間を省き、投資と新パーツのコストも抑えられる一石二鳥な工夫なのです。

70年代のレスポール・デラックスの愛用者は、搭載されているエスカッション(ピックアップリング)がP-90からの流用だと気がついていると思います。P-90用も後年Gibsonのエンボスロゴが現れますが、金型は同じでGibson部分だけが入れ子になっています。

ミニハムバッカー用エスカッションとP-90用ピックアップカバーの比較

それぞれを裏から見てみましょう。内側のエッジにある山形の盛り上がり部分で、同一成型品と判断できます。

ヴィンテージの場合は「まずP-90用のピックアップカバーを成型しておいて、あとで真ん中を切り取る」のか「もともと金型を入れ子にして真ん中部分に樹脂を流し込んでいない」のか、エッジをルーペで拡大してみても、ちょっと断定しにくいです。

ブラックエスカッションにもみられる金型の特徴

並べてみると、70年代のブラックリングも同じ金型なのがわかります。

この部分を見てください。

次回は珍しい五角形のミニハム用エスカッションをご紹介します。

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