ギブソン・ギターのオーナーズマニュアル

70年代から80年代にかけてのギブソンやフェンダーというブランドには高級楽器としてのステータスを感じていた人も多いでしょう。そんな為替変動に翻弄されている80年代から近年までギブソンが丁寧にオーナーのために添付してくれているオーナーズマニュアルをご紹介します。

70年代から80年代にかけてのギブソンやフェンダーというブランドは、たとえば学生バンドとプロの境目に存在するような、ある種歴然とした高級楽器としてのステータスがあったと記憶している人も多いでしょう。

USドル/円の為替レート

226.7円 220.5円 249.0円 237.5円 237.5円 238.5円 168.5円 144.6円 128.1円 137.9円

上の表のように1980年は1ドルが230円近くしていたので、アメリカ製ギターの高級感は半端ではありませんでした。北米で1,500ドルしていたギターを単純に円換算すると34万円。サラリーマンの平均月収(厚生労働省の賃金構造基本統計調査)の倍近くにもなります。輸入楽器となると代理店の利益なども上乗せされるので、実際はその1.5倍以上の価格になるでしょう。ところが同じ楽器が10年後の為替では21万円です。輸入元もおいそれと販促経費はかけていられなくなってしまいますね。単純に円高もいいのか悪いのか…。でもまあ、そのおかげで「あこがれのギブソン」は、どんどん身近になるわけです。

ギターの販促用チラシ

今回ご紹介するブックレットは、そんな為替変動に翻弄されている80年代から近年まで、ギブソンが丁寧にオーナーのために添付してくれているハンドブック(オーナーズマニュアル)です。

70年代後期にはLes Paul KMが登場し、マニュアルにも堂々とレス・ポール氏が登場しています。マニュアルの中を順番に見てみましょう。20ページに及ぶなかなかの大作です。挿絵も少なくて文章ばかりですが、初代オーナーにはうれしい付属品ですね。

80年代、Les Paul 80からコリーナ・フライングV、エクスプローラー、モダーンなど、ヴィンテージの復刻で元気になったギブソンはNAMMショー用に製作したマップギターを前面に出し、ブックレットや店頭タグを一新します。結構な厚みがありますね。

前回の反省からか、ちょっとイラストを入れたりしています。

ディスプレイ用だけで店頭販売されなかったマップギターが、なぜフラッグシップ的にタグやマニュアルを飾っているのかわかりません。

付属品をまとめてご紹介します。

「IMPORTANT」と書かれている黄色いタグだけでも、なんとなく「おー!ギブソンは高級だ」という雰囲気プンプンで、入手したヴィンテージギターのハードケースにこうしたタグを発見すると、オーナーが大事にしてきたオーラが出ていて当時を回顧してしまうんですよね。みなさんも同じ経験があると思います。

現行のマニュアルも、ちょこちょこ表紙や内容を変えて存在しているので今後Vintage Maniacsで特集しますね。

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